SAMSUNGがここまで世界的な企業になった裏にある“営業の秘密”とは

San,Jose,,Ca/,Usa,-,March,26,,2019:,Samsung,Semiconductor,
 

今や世界的企業となった三星(サムスン)。日本でもその成長を語った書籍は数多くありますが、グローバル営業の最前線の記録を記した本はあまり見つからないそうです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、東亜日報に掲載された記事をもとに、三星電子グローバル営業で32年間勤めた男について語っています。

現問現答。三星(サムスン)の隠れた潜在力

サムスン(三星)といえば今や世界的な企業となった。その三星電子グローバル営業で32年間最前線を歩き回った尹聖赫(ユン・ソンヒョク、60)という人間がいる。

米国で働いた16年間は、史上初めて三星TVがソニーを抜き世界トップについたし、三星フォンがアイフォーンの牙城をくぐって販売トップの座についた。その中心にいたのがこの尹聖赫氏だ。

退職の4年前からは、三星アフリカ総括兼南アフリカ共和国法人長を務め、低迷していた業績を見違えるほどに引き上げた。そしてこのすべての「興奮と挑戦」の時間を一冊の本にまとめた。2021年12月に『危機なのか?サムスンせよ!』(ポンピッ書院刊)を刊行。どうしてこのようなタイトルをつけたのか。

「三星がグローバル超一流企業に成長した過程を書いた本は多いが、海外営業現場の最前線の記録はなかなか見つかりませんでした。私に多くの教えを与えてくれた先輩たちの話もあまり知られていないようです。彼らが危機をどのように突破したのか、三星、ひいては韓国というブランドを輝かせるためにどのように献身し、その過程で後輩たちをどのようにうまくリードしたのかを文字にして残したかったのです」

「外で知られた三星の姿の他に、見えないところで尽力した数々の努力に照明を当ててみたかったんです。タイトルを直接的に付けるとすれば、『世界を開拓した三星の営業秘密』といった感じになるでしょうか」。

その秘密とは何だろうか。

「米国で協力したIBMの同僚からこんな話を聞いたことがあります。あなたの会社は問題が起きた時、誰が間違ったのか一糸乱れずに対策作りに集中していたと。それこそ三星営業の力です。三星営業には代々受け継がれてきた現場経営の哲学があります。『現問現答』、つまり現場に問題があって、現場に答えがあるということです。実際に組織がうまくいくためには、上下が車輪を回すようにうまく連結されて動かなければなりません。特に組織では、何かおかしいときに『ウォーニング』(警告)する役割が重要です。営業がその役割をします。ただ、上でそのウォーニングに気づいてキャッチする人がいてこそ、歯車が回るわけですけど」

2020年末に帰国し、夫人の勤務する学校のある世宗市(セジョンシ)に定着した。11年間の役員履歴に終止符を打ち、2年間の「顧問」という肩書きを得た。

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