編集後記
私は探偵として小学校の教壇に立つ事もあります。PTA主催の研修会でいじめ問題の講師をしたり、教職員への研修、児童生徒のいじめ予防教室もやりますし、ネットの安全利用という教育も講演依頼があれば行っています。
ですから、いじめへの介入以外でも学校現場にはよく顔を出すのです。もちろん、現役の教職員や管理職(校長など)の友人も多くいますし、教育委員会事務局や教育委員、教育長にも友人がいます。
コロナ禍ではないときは食事をしたり、お酒を飲むこともありました。それなりの付き合いをしています。そこで思うことは、「こいつら働き過ぎだ」ということと「それ何の役に立つの?っていう仕事多いね」ということです。およそ上から指令が来るような仕事は、ほぼ雑務で、非効率的なものが多いのです。民間企業であれば、真っ先に「業務の断捨離」になるようなものです。
また、ホンモノのモンスターペアレントも見ていますから、精神的に参っちゃうねとも思います。ハッキリ、「お前はアホかっ」ってぶっ飛ばせばいいのにとも思えることもあります。
ここに、いじめ対応となれば、パンクすることもあるだろう、と思うからこそ、いじめが起きづらい仕組みを活用したり、チームで対応するようにということを推奨していました。
しかし、コロナ禍もあり、様々な事実が浮き彫りになる中、例えば小学校でも教科担当制を取り入れて「授業専門の教員」やキャリアカウンセリングをする教員、生活指導のみを担当する教員など分業した方がいいのではないかと思うこともしばしばあります。こうした制度は欧米ではよくある構造です。
例えば、公務員でも残業代は出ますが、公立校の教員の場合は、給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)があって、残業代はでません。
過酷な労働環境で、給与は安く、休みもない。でもやりがいはあるよ。という仕事の魅力の伝え方は、一般企業で言えば、ブラック企業の常とう手段です。だから、人が集まりません。
こうした側面が、いじめ対策が進まない原因であるならば、今すぐ変えてやれよと思うわけです。いじめ被害者はいじめられてすごく辛い、でもそれを守るべき教員も働きづめで辛いというならば、全員ルーザー(辛いだけ)の世界です。
こうした教育行政の世界、どうやら現場だけが困窮しているようにも思えます。でもきっと、偉くなって笑っている人もいるのでしょうね。責任を果たさず、法の要請も守らないでは、最大の責任者はその存在意義などないのではないでしょうか。
ぜひとも全国の志ある教育関係者の皆様には、世界は良い方向に変えられるのだということを、こどもたちに示してもらえればと思います。
メルマガのご登録により阿部さんの活動を支援することができます
image by: Shutterstock.com