ホンマでっか池田教授が解説。ソ連崩壊からのウクライナ紛争前史

 

第二次南オセチア紛争が起こるほんの少し前に、ジョージア(当時はグルジア)がNATO加盟を目指し、NATOも実施時期は未定としながらも、グルジアの加盟に合意した。これは、ロシアにとって相当の脅威であったと思われる。プーチンは旧ソ連の共和国が次々にNATOに加入するのを座視できない、と警戒心を強めたことは間違いない。

ウクライナも1991年にソ連崩壊の後独立した。民族は大半がウクライナ人であるが、クリミア自治共和国とセヴァストポリ市では、ロシア人の割合が、前者では60%弱、後者では70%強である。東部のドネツク州とルハンスク州でも40%弱はロシア人が占める。

ウクライナでは独立以来、親露派と親欧米派の権力闘争が続いていたが、2014年に親露派のヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、ロシアに亡命してから、ロシアとの仲が険悪になった。プーチンはこの政変に怒りを露わにしたと伝えられている。プーチンが最も恐れるのは民主化の波がウクライナ経由でロシアにまで及ぶことだ。ウクライナにはロシアに住む人々と親戚の人も多い。

危機感を抱いたプーチンは、ロシア人が圧倒的に多いクリミア自治共和国とセヴァストポリ市をロシア領に併合した。さらにドネツク州とルハンスク州を、親露派の武装勢力が実行支配し、ウクライナに圧力をかけた。ロシアは2022年2月になって、ドネツク人民共和国とルハンスク人民共和国の独立を承認して、ロシア軍に軍事基地の建設と使用の権利を与える協定に署名したようで、国際的な非難にさらされている。(『池田清彦のやせ我慢日記』2022年3月11日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください)

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image by:bgrocker/Shutterstock.com

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