しかし欧州はすでに苦労し心配しています。以下は米国ニューヨークタイムズ4月1日の記事からの抜粋です。
ウクライナからの大量の難民の流出は、第二次世界大戦以降、ヨーロッパが経験したことのないような人道的危機を引き起こしている。
400万人以上が近隣諸国に流出し、ロシアの野蛮な戦争が続く限り、さらに数百万人が流出することになるだろう。
ウクライナからの逃避行に対するヨーロッパの最初の反応は印象的な連帯感を示すものであった。
難民は、ほとんどの男性が戦闘のためにウクライナに残る必要があるため、そのほとんどが女性と子どもであり、その数が膨れ上がっても歓迎され収容されてきた。
しかし、この難民規模は驚異的であり、まだ初期段階である。
ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、毎週100万人近くがウクライナから出国している。平和協定が結ばれない限り、ロシアは民間インフラを爆撃し続けるだろう。
ウクライナは生き残りをかけて戦い続けるだろう。今後数カ月でウクライナの人口のおよそ4分の1にあたる1,000万人が国外に流出する可能性がある。
人口約160万人のワルシャワは、現在30万人以上のウクライナ難民を受け入れており、その多くは急遽設置された歓迎センターで寝泊まりしている。
やがて、ウクライナ難民に対する怨嗟の声が大きくなるかもしれない。最初は難民を歓迎していた人々が、難民に反発し、ウクライナにロシアの条件での戦争終結を強いるよう、自国政府に圧力をかけるかもしれない。
欧州連合(EU)は、支援の申し出を必要としている人々とマッチングさせるためのプラットフォームを設立した。
戦争によって避難した人々を人道的に受け入れる努力は、ヨーロッパに限ったことではない。ウクライナ人の多いカナダは、戦争から逃れてきた人々を少なくとも2年間は無制限に受け入れることに同意している。難民の受け入れに消極的だった日本も、ウクライナ人の受け入れに合意している。
解説
日本もウクライナ難民受け入れに合意したという言及があります。
実際、ウクライナ戦争に関しての日本の姿勢は海外新聞でもよくとりあげられています。「アジアからも日本が支援の名乗りを上げた」といった文脈です。
しかし、このウクライナ難民受け入れ、日本政府はどれぐらいの人数を考えているのでしょうか?
日本の難民受け入れ実績は2019年44人、2020年47名となっています。国民感情もあるのでしょう。今までは実質ゼロといってよいです。
今、世界が期待しているウクライナ難民の受け入れ数と日本の実績は桁が3~4つ違うのです。
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