名古屋市が証明した「減税すれば税収が増える」まぎれもない事実

 

そして、名古屋はどうだったのだろうか?2009年に河村市長が10%減税を目指して市政を始めたが、野党やメディアの反対にあって5%になったが、それでも減税を進めた。これまでの減税の総額は1200億円にも上るとされている。

その結果、名古屋市の税収(税率は下がっているが、税収はどうか)はどうなっただろうか?先日、市長の講演会で名古屋市の税収のグラフをいただいたので、念のため、自分で税収を調べてグラフにしてみたら、実に「5%の減税をしたら、税収は増えて主要都市の中で減税前に比べて税収の比率がトップ!!」になっている!!

ある意味ではこの名古屋市の結果は当然とも言える。もともとお金を生み出すのは国民であり、市民である。その結果、国民や市民が豊かになるかどうかは、1)国民が稼いだお金を全部役人に預けて役人が国民が豊かになるように使う、2)国民がそのお金を使ってさらに活動して、その結果、得た「付加価値」分だけのお金を役所に収める、というのとどっちが良いかという問題である。

役人は人のお金をもらうだけだから、苦労もしないし、とかく傲慢になる。苦労せずに傲慢な人が、苦労して謙虚な人に比べればダメになっていくのは仕方のないことである。それが「人間の性(さが)」というものだ。子供でも宿題をさせずゲームばかりをやらせておいて学力が上がるはずもない。人間は多少の苦労と努力が必要なのだ。

国も県も、市も健康保険組合も、NHKも学校も、およそ「お金の徴収」を収入としているところは、この際、毎年2%程度の減税、徴収金の減率を試みてはどうだろうか?税金や徴収金を減率すると、そのお金は国民の手元に残る。国民はそれをより有効に使うから、徴収先の国やNHKなどに比べて有効に使うはずである。なにしろ自分のお金だから。

そうすると、日本人は自分が働いて自分でそのお金を使えれば、やりがいもあるし、ファイトも出る。現在のように「すべての徴収金」の合計が、国民が稼いだお金の半分(50%)というのはあまりにも異常だ。やはり「お金はその大半は、それを稼いだ人のものになる」というのを原則とすべきだろう。

稼いだお金をまずは会社で法人税などの税金や保険、給料になって渡されてから所得税、それを引かれた後のお金でものを買うとさらに消費税、家を建てると不動産取得税、そして死んで相続すると相続税と、少なくとも一度の稼ぎを5回も税金で取るという重税である。(メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』2022年5月11日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください)

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