プーチンに握られた「不都合な真実」。米バイデンの対ロ姿勢が軟化したウラ側

smd20220617
 

6月24日で開戦から4ヶ月を迎えるウクライナ紛争ですが、さまざまな歪みや不都合が隠しきれないレベルにまで達しつつあるようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者で元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、西側諸国からウクライナに供与された兵器を巡る「真実」や、独仏伊の首脳が揃ってキーウにゼレンスキー大統領を訪ねた狙い、さらにバイデン政権が対ロ姿勢を変化させた理由を、国際交渉人として独自に収集した情報を元に考察・解説。その上で、世界の人々はこの先、日常生活に戦争起因の負担を抱え続けながら、どこまでウクライナに寄り添う姿勢を取ることができるのかという疑問を投げかけています。

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伝えられないウクライナ戦争“本当の”戦況

「今こそ軍事産業に大きく投資したほうがいい。今回の勝敗に関係なく、膨大な富を得ることが出来ます」

6月に入ってこのような声を多く聞くようになりました。私のところにも、どこから調べたのか、このような“お誘い”が直にやってきます。

「ほんまかいな」と思いつつも、「しかし、どのような理由でこんなことを言ってくるのかな」と関心を抱き、「どうしてそんなに確信を持つのか?」と尋ねてみました。

そうすると皆そろって「ニュースで伝えられている欧米諸国によるウクライナへの武器供与の量のうち、実際にウクライナに届いているのはその10%ほどに過ぎない」と言います。

実際には未達のもの、そしてまだ供与元の国を出発していない武器もあるようなのですが、ウクライナ向けに出された武器弾薬が一定割合で行方不明になっているという情報も入ってきました。

「そんなはずは…」と考えて、別ルートでも調べてみるのですが、決して表立っては伝えられないこの“不都合な真実”は、どうもあながち嘘ともいえない内容のようです。

先週号で【ウクライナが武器のブラックマーケットになるかもしれない】という可能性について言及しましたが、どうも冗談では済まされないような気がします。

【関連】プーチンでもゼレンスキーでもない。ウクライナ戦争の真の勝者

ただし、それらのmissing weaponsが消えた先は、必ずしもウクライナだけではないようです。

ただし、自らが提供した武器弾薬の行方を欧米諸国は把握できておらず、それを認めることもできない状況に追いやられています。

ちょうど15日から16日にかけて、交渉による停戦を模索する独仏伊の3首脳が同じ寝台特急に乗ってキーフに駆け付けるという“パフォーマンス”が行われていますが、この訪問中のアジェンダの一つに【ところで私たちが供与した武器はどこに行ったんだい?】という事実確認と管理の徹底という厳しい内容が含まれているようです。

ただフランスとドイツが誇らしげに発表した武器弾薬は“まだ”ウクライナには届いておらず、それに対してゼレンスキー大統領とクレバ外相などが連日、不満を漏らすという構図はより鮮明になってきているのも“事実”です。

別の情報ルートでは「武器弾薬はある程度、届いているのだが、それぞれの性能にウクライナ軍の能力が全く追いついておらず、グレードアップして提供された武器を結局実戦に投入できず、結局宝の持ち腐れになっている」という指摘もあります。

開戦当初、毎日のようにニュースを賑わしていたジャベリンなどの“数時間から1日訓練すれば使えるようになる”レベルの武器とは違い、5月以降、供与されているもの、特にアメリカから投入される武器は想像以上に高性能なものが多く、
一定期間の訓練なしには全く使えないそうです。

おまけにロシアとの直接的な対決を避けたいバイデン政権と欧州各国の政府は、それらの武器を使用するための人員は提供していないため、結局、宝の持ち腐れとなっているようです。

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