ロシア国民を待つ生き地獄。プーチンの「長期的敗北」が不可避なワケ

 

大戦略、軍事戦略、作戦、戦術

神が日本に遣わした「再臨の諸葛孔明」といえば、世界有数の戦略家、地政学者奥山真司先生です。奥山先生は、なんと「世界一の戦略家」エドワード・ルトワックと温泉に行き、世界の未来を語り合える仲なのです。そんな奥山先生は、「戦略の階層」という話をずっとされています。

戦略の階層はピラミッド型になっている。上から、

  • 世界観
  • 政策
  • 大戦略
  • 軍事戦略
  • 作戦
  • 戦術
  • 技術

と7つの階層になっています。これだけ見てもよくわかりませんね。たとえば、日露戦争のことを考えてみましょう。「日露戦争で、どうやってロシア軍に勝とうか?」これは、軍事戦略です。

ところが、日露戦争にも、

  • 黄海会戦
  • 遼陽会戦
  • 旅順の戦い
  • 奉天会戦
  • 日本海海戦

など、いろいろな戦いがあります。たとえば、「日本海海戦でどうやってロシア軍に勝とうか?」と考える。これは、「作戦」レベルの話です。

そして、個々の戦闘で「どう勝とうか」というのは「戦術」レベルです。

さらに、「兵器の強さ」「兵士の強さ」などは「技術」レベル。たとえば、ウクライナ戦争では、「軍事用ドローン」や「携帯式対戦車ミサイル・ジャベリン」「携帯式地対空ミサイル・スティンガー」などが活躍していますが、これは「技術レベル」の話。

ここまでは、ご理解いただけたでしょう。

では、「大戦略レベル」とは何でしょうか?

軍事戦略は基本、軍隊の話です。しかし、大戦略になると、政治、外交、経済などもかかわってきます。

日露戦争なら、「同盟国イギリス、そしてアメリカと組んでロシアと戦う」のが、基本的な大戦略になります。そして、「軍資金は、イギリス、アメリカから調達する」というのも、大戦略の一環でしょう。

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