「56」「63」「82」。参議院選挙における与党3つの勝敗ラインとは

 

与党3つの勝敗ライン 「56」「63」「82」

今回の選挙において、自民党と公明党の与党が見据えるのは、非改選議席を合わせた過半数の「56」議席だ。

さらに、今回改選される125議席のうち、過半数の「63」議席を与党、あるいは自民単独で確保できるのかも争点となる。

そして、改憲勢力が、3分の2を維持するための「82」の議席を獲得できるかも焦点に。参議院の定数は、今回3議席増えた248となり、その過半数は125。

自民党と公明党は、まず「非改選を含めた与党で過半数」を勝敗ラインに据えた。

すでに自民党は非改選で55、公明党は14の計69議席を保持しており、今回、自公合わせて56議席を獲得すれば、目標の過半数に届く。

また、今回の選挙で13議席まで減らしても、目標ラインに到達でき、低いハードルともいえ、万が一苦戦した場合も想定した形となった(4)。

他方、今回争われる125議席のうち、過半数の63議席を自公で獲得するためには、現有議席から6議席減までにとどめなくてはならない。

最大の注目となるのは、自民党単独で過半数に到達できるかで、それには現有議席の55から8議席、積み増しをする必要がある。

ここまで議席を獲得すると、自民党が「有権者の信任を得たことを意味し」(西日本新聞6月22日付朝刊)、岸田首相の求心力が高まり、今後の政権運営は安定するだろう。

対する野党はどうか。立憲民主党は、

「野党による改選過半数」(泉健太代表)

を目指すという。すなわち野党全体で、63議席に確保を目指す。

岸田首相は、任期中の憲法改正を掲げている。現在、参議院は自公と日本維新の会、国民民主党を合わせた改選勢力は、すでに3分の2を越えている。今回の選挙で、新たな定数248で改憲に必要な3分の2のラインは166議席。

以上の4党に加え、与党系無所属の橋本聖子氏を加えた非改選議席がすでに84あり、あと82議席あれば、ここまで到達する。そのため、今回の選挙のゆくえ次第では、改憲案の発議に向けた議論が加速する可能性も。

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