酒好きに安心データ。酒量とがんの発生率に因果関係はなかった!

shutterstock_446690722
 

楽しくてもツラくても飲みたいお酒。「昨日は飲みすぎた」と毎日つぶやいてしまうような酒好きでも気になるのは、アルコール摂取と病気との関係。がんに関しては、喫煙とセットでなければ摂取量が発生率に影響することはないようです。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、医師で糖質制限食の提唱者である江部康二先生が、国立がん研究センターによる研究レポートの要点を解説。がんの部位によっては発生率上昇が疑われるケースもあることから、糖尿病など他の生活習慣病を予防するためにも、1日の適量を示しています。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

初月無料で読む

飲酒とガンについて

今回は、飲酒とがん全体の発生率について、考えてみます。私は、タバコは吸いませんが、お酒はそこそこ飲むので、おおいに気になるところです。

結論としては、喫煙がなければ、飲酒量が増えても、がんの発生率は不変ということです。タバコを吸わない酒飲みには、とても嬉しいお話しですね。

以下、国立がん研究センター「飲酒とがん全体の発生率との関係について」を要約してみました。
飲酒とがん全体の発生率との関係について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト

─多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告─

平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、アンケート調査。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を論文発表。(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。

[お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい]

調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんに罹患。

時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループは、がん全体の発生率は変わりなし。

一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループは、1.6倍。日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯。

女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられず。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 酒好きに安心データ。酒量とがんの発生率に因果関係はなかった!
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け