習近平が台湾侵攻を決断する日
先日、中国共産党大会で、前国家主席の胡錦涛が退場させられる映像が流れました。
● 【波紋】胡錦涛氏“退席直前”新映像…「習近平氏と意見不一致か」欧州メディア【もっと知りたい!】(2022年10月27日)
胡錦涛は、習近平の人事に不満があったとされています。長老に恥をかかせ、自分の力を見せつけた習近平。気分がよかったことでしょう。
しかし、実績を見ると、胡錦涛の方が、習近平より優秀です。胡錦涛が中央委員会総書記だった2002年から2011年のGDP成長率は、
- 2002年9.12
- 2003年10.02
- 2004年10.11
- 2005年11.39
- 2006年12.71
- 2007年14.25
- 2008年9.59
- 2009年9.45
- 2010年10.61
- 2011年9.55
10年間の年平均は10.68%。胡錦涛の時代は、まさに「中国経済黄金期」といえるでしょう。
では、習近平が中央委員会総書記になった2012年から10年間はどうでしょうか?
- 2012年7.85
- 2013年7.77
- 2014年7.39
- 2015年7.02
- 2016年6.85
- 2017年6.95
- 2018年6.75
- 2019年5.95
- 2020年2.24
- 2021年8.08
10年間の平均は、6.68%です。減速は明らかですね。しかも、コロナの反動だった2021年を除けば、ほぼ一貫して成長率が右肩下がりになっています。もはや中国が「高度成長時代」に戻ることはないでしょう。そして、習近平自身もあまり景気の動向に興味がないようです。プーチンと同じですね。
ここが民主主義国家と独裁国家の大きな違いです。日本と欧米の指導者たちが今一番気にしているのは、インフレです。これをなんとかしなければならない。なぜ?支持率が下がり、次の選挙で負け、権力を失う可能性が高まるからです。ところが、独裁者には、そのような心配がありません。
- メディアを独占しているので、国民を自由自在に洗脳できる。
- 洗脳されない人は、逮捕することができる。
だから、独裁者は、あまり経済のことを考えず、好きな道を進むことができる。
で、独裁者の望みは何かというと、たいてい「歴史に名を残すこと」だったりするのです。プーチンは、クリミアをウクライナから奪ったことで歴史に名を残した。しかし、もっと大きなものが欲しくなった。そう、ウクライナとベラルーシをロシアに併合すること。「これで歴史に名を残せるな」と。
習近平は、どうでしょうか?いうまでもなく、「台湾統一」で歴史に名を残すことができます。だから、私たちは油断すべきではありません。現状、ウクライナに侵略したプーチンがボロボロになっている。このことは、習近平に「一定の教訓」を与えたことでしょう。
しかし、それで習が台湾併合をあきらめるはずがない。彼は今、「より周到な準備が必要だ」などと考えていることでしょう。
ちなみに中国は、コメ、小麦、トウモロコシなどを買いあさっています。米農務省のデータによると、世界の在庫量に占める中国の割合はトウモロコシが69%、コメは60%、小麦は51%に達している。
なぜ??????????????
第2次大戦時、世界には二人のメイン独裁者がいました。イタリア・ムッソリーニとドイツ・ヒトラーです。事実上第3次大戦がはじまっている今、世界には二人のメイン独裁者がいます。現代のムッソリーニはプーチン。現代のヒトラーは習近平です。
日本は、敗北必至の独裁陣営について、2次大戦の過ちを繰り返してはなりません。そして、日本政府は、台湾有事の準備をはじめるべきです。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年10月28日号より一部抜粋)
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