「TODOリスト」によるタスク管理が、たった数週間で破綻してしまうワケ

 

■TODOリストの破綻

本当に至極簡単な話なのです。自分の「やること」をリストに書き込み、終わったらそれを消す、という運用をしているだけでは、少しずつTODOリストの項目は増えていき、やがてそれを目にするのも嫌になってきます。

特に、「タスク管理」という救済のノウハウを求めている人ほどそうなります。なぜなら、そういう人は忙しい──つまり「やること」を過剰に抱えているからです。あるいは、過剰に抱える傾向を持っているからです。

そもそも、「やること」と実際に実行することが適切にバランスしているなら、「管理」の必要性はそこまで感じないでしょう。目についたものから着手していけば、いつかは終わるはずです。そんな平和な終わり方ができていないから、タスク管理というノウハウを求めるようになるのです。

しかし、TODOリストを作ることは、あくまで「やること」の整理でしかありません。それをやっているだけでは、「やること」を過剰に抱えている状態はまったく改善されないのです。だから、どこかの時点でTODOリストの項目が増大化し、やがてその運用が破綻してしまうのです。

■デイリータスクリストという解

だから私は今「デイリータスクリスト」という手法をベースに日々の「やること」を管理しています。このリストのいいところは、「その日やること」だけにフォーカスしてリストで管理することです。その性質によって、どれだけ大量のやり残しが出たとしても、次の日には「きれいなタスクリスト」を手にすることができます。心機一転、一日をスタートできるのです。

このことを逆に見れば、デジタルツールなどでその日に終わらなかったタスクを自動的に次の日に持ち越してくれる機能を持ったものは、たとえ日ごとのタスクを表示してくれているにしても、実際の運用でいえばTODOリストと変わらないことになります。最初の頃は気持ちよく使っていけても、時間が経てば経つほど、タスクの「澱」が溜まってゆき、いつかは破綻してしまうのです。

だからこそ、明確な区切りを持ったデイリータスクリストを毎日作ることが大切なのです。

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