中国とインドが反対表明。核の脅しさえも使えなくなったプーチンの末路

 

ロ軍とウ軍や世界の状況

ロ軍は、ランセット自爆ドローンを有効に使用していて、ウ軍のM777榴弾砲などのソフトターゲットを狙っている。ランセット1は弾頭重量1kgで、ランドセット3が弾頭重量3kgである。戦車などには効果がない。

イランもロシアにドローンの提供を認めたし、追加のドローン供給もするという。ロシアもドローンで戦局を好転させたいようである。

これに対して、米国は、ウクライナに追加軍事支援を4億ドルするが、そのうちに、正体不明のフェニックスゴースト自爆ドローンを追加で1,100機を供与し、合計1,800発も供与されている。この使い道はランドセットと同様とみなされるが、この攻撃の動画がないために、姿も攻撃方法が不明のままである。

また、イラン製ドローンやミサイル対応で、ホーク中距離地対空ミサイルも供与されるようである。その内、イラン製ドローンについては、ウクライナ軍のゲパルト自走高射機関砲で簡単に撃ち落せるようであるが、弾の提供に難がある。スイスは弾のウクライナへの提供を拒否している。ノルウェー製の弾しかないが、供給量が不足している。

今後は、ミサイル、特に弾道ミサイルへの備えが必要になり、パトリオットが必要になるが、これはシステム化が必要で、その構成は大変であるので、供与されない。

これより心配なことが出てきた。米国内で、ウクライナへの支援が「やり過ぎ」だと考える人が、米国の世論調査で30%にのぼっている。共和党が上下院を抑えると、ウクライナ支援の見直しが起きる可能性がある。この傾向はEU諸国でも同じである。

このため、バイデン政権は、ゼレンスキーにロシアとの交渉にオープンな姿勢を見せるよう促しているという。徐々に、交渉の余地なく何年も戦争が続くことは、EUも米国も望んではいないからだ。

レズニコフ国防相が、各国の支援疲れを気にしていたが、それが現実的に出てきているようであり、戦果を挙げて、どこかで停戦交渉に向かわないと、ウ軍への支援もなくなる。冬を越した時点が、停戦開始になると見る。それまでに、どこまで奪還できているかだ。

その上、ロ軍のドローン攻撃と、ウ軍が積極的な攻撃に出ているので、ウ軍装甲車両の損害が増えている。戦車は350両、装甲戦闘車両180両、歩兵戦闘車350両、装甲兵員輸送車180両などであり、実際は、これ以上かもしれない。そしてウ軍戦死者数も1万人以上にはなっているはず。ちなみに、ロ軍戦死者数は7.5万人である。

このため、継続的に装甲車両の提供を続ける必要がある。そこで、米、オランダ両政府はチェコが保有する戦車計90両を改修した上でウクライナに提供するとした。

それと、動員ロ軍兵100人超が、訓練基地で約束された報酬の不払いに怒って、抗議のストライキを起こした。このことで、焦ったプーチンは、動員兵に一時金45万円を支給すると発言したが、それより前に、月の報酬をちゃんと渡すべきであろう。

ロ軍は精鋭な兵を必要としているので、捕虜交換には、応じているようで、ウ軍の捕虜107名がロシアから解放されて帰国した。勿論、同数のロ軍兵もロシアに戻した。ウ軍解放者の内約70名はアゾフスタリ防衛戦に参加した兵士である。

ロシアは、30万人の動員兵に対する訓練や装備の準備もなく、予算もなく、思い付きで動員を始めたことがわかる。もし、この動員兵に報酬を渡すことになると、今後6ケ月で7兆円もの費用が必要であり、その捻出が必要になる。

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