学校は隠ぺい、校長が妨害。静岡県湖西市市立中いじめ事件の信じがたい事実

 

そもそも令和元年のいじめ事件である

本件の発生は令和元(2019)年5月である。一部新聞報道では、被害側が聞き取りに応じずと記載があるようだが、被害側の申告により第三者委員会設置の申し入れがあって、その3年後の2022年2月に第三者委員会が設置されていたことが報じられている。

実際は、いじめの重大事態として認定しているとの意思表示が湖西市教育委員会からあったのは、令和3(2021)年6月23日であり、その電話はわずか1分程度のものであった。

そして、第三者委員会の設置は、令和3年11月16日のことであり、4人の調査委員のうち、一人においては、被害側は会ったこともないという。

おおよそ、報道機関に対しての情報提供が大きく遅れたということもあろうが、第三者委員会設置についてまでの動きはノロノロビームを喰らったのかの如く遅すぎるのだ。

反省のない組織に再生の余地もない

以下は、文科省のガイドラインに載っている文面である。

基本方針やこれらの調査の指針が策定された後も、学校の設置者又は学校において、いじめの重大事態が発生しているにもかかわらず、法、基本方針及 び調査の指針に基づく対応を行わないなどの不適切な対応があり、児童生徒に深刻な被害を与えたり、保護者等に対して大きな不信を与えたりした事案が発生している。

学校の設置者及び学校は、いじめを受けた児童生徒やその保護者(以下「被害児童生徒・保護者」という。)のいじめの事実関係を明らかにしたい、何があったのかを知 りたいという切実な思いを理解し、対応に当たること。

学校の設置者及び学校として、自らの対応にたとえ不都合なことがあったとしても、全てを明らかにして自らの対応を真摯に見つめ直し、被害児童生徒・保護者に対して 調査の結果について適切に説明を行うこと。

重大事態の調査は、民事・刑事上の責任追及やその他の争訟等への対応を直接の目的とするものではなく、いじめの事実の全容解明、当該いじめの事案への対処及び同 種の事案の再発防止が目的であることを認識すること。学校の設置者及び学校として、調査により膿を出し切り、いじめの防止等の体制を見直す姿勢をもつことが、今後の 再発防止に向けた第一歩となる。

学校の設置者及び学校は、詳細な調査を行わなければ、事案の全容は分からないということを第一に認識し、軽々に「いじめはなかった」、「学校に責任はない」という判断をしないこと。状況を把握できていない中で断片的な情報を発信すると、それが一人歩きしてしまうことに注意すること。また、被害者である児童生徒やその家庭に問題があったと発言するなど、被害児童生徒・保護者の心情を害することは厳に慎むこと。

上にあるように、教育現場からは離れているとされる文科省ですら、各事件をみて、共通する問題を具体的に指摘できるから、ガイドラインを設けたのだ。

少なからず、湖西市のこのいじめ事件では、上に挙げた全てのガイドラインの文言に違反しているのだ。

現在、第三者委員会の元、調査が行われているというが果たしてどうなるか。

次回以降で、本件については、さらにトンデモ発言とトンデモ対応があったことを報じる。

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