他国の説得も効果なし。プーチンが打って出る「ゼレンスキー斬首作戦」

 

これにより「北朝鮮に核兵器を作らせない」から「いかに使わせないか」に安全保障上の重点が移ったことになりますが、それは同時に「核兵器が使われた場合、もしくは使われる強い可能性が生じた場合、どのように対応するか」という戦略のレベルアップにつながります。

それが韓国・日本を攻撃する戦術核でも、ICBMに積み込む戦略核であっても、その脅威に対して日本・アメリカ・韓国はどのように対応しうるかを具体的に考え、準備し、そして実行するための体制が必要となります。

またそのような場合、北朝鮮の後ろ盾となっている中国やロシアがどのように対応するかも、様々なパターンを想定しておく必要があることも意味します。

例えば、今、アメリカは核による先制攻撃はしない方針ですが、明らかに北朝鮮による核兵器の使用の兆しが見えた際、予防的な見地で核による攻撃をするのか?それとも通常兵器、特に精密誘導ミサイルなどを用いて核施設の限定的な破壊を行うのか?といった内容は非常に悩ましい案件となります。

もし通常兵器または核兵器による攻撃の後でも、北朝鮮がまだ核戦力・ICBMなどを持っているとしたら、自衛のために核使用に踏み切る可能性が高まると思われますが、それに対し、日米韓はどのような対応を行うのでしょうか?特に高い確率で韓国と日本は攻撃の的となりますが、日米韓はどうするのでしょうか?

またこのような場合、中国とロシアはどのような動きを見せるでしょうか?

中国もロシアもカギとなるのは「北朝鮮への攻撃が自国の安全保障に直接的な脅威となるか否か」という点でしょう。

脅威となると判断すれば、北朝鮮防衛のためではなく、自国の安全保障のために介入し、朝鮮半島周辺から日米韓の戦闘力を排除する動きに出るでしょうが、核兵器の使用にまで至る可能性は、自国の核使用のためのドクトリン的には条件を満たしたとしても、低いと考えられます。それは両国とも地球の終焉を意味する全面核戦争に与することは極力避けたいとの方針が根底にあるからです。

しかし、2023年に起こる話ではないと考えますが、場合によっては朝鮮半島全体が、人間がしばらくは居住不可能な死の地になり、朝鮮半島から押し寄せる難民の扱いを巡って日・ロ・中が大きな問題に晒されることになるかもしれません。中国もロシアも恐らく国境を閉ざし、国内への混乱を最小限に抑える方策を取るものと予想します。日本についても恐らく同じかと思います。

2023年にすぐに起きることではないと思いますが、北朝鮮の核兵器のレベルとICBMの実用化が確定したと考えられた場合、その可能性は一気に高まるものと予測します。

上記の内容がただの杞憂に終わることを祈ります。

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