他国の説得も効果なし。プーチンが打って出る「ゼレンスキー斬首作戦」

 

そのような中、中国政府やインド政府がロシア政府に対して大規模攻撃の実施を思いとどまるように外交的な活動を行っているようですが、同時に国際政治上、巻き込まれないようにロシアと距離を取っているのも事実であり、こちらも効果のほどは分かりません。

ただ「今回の作戦において核兵器が使用される可能性は“ほぼ”ない」という情報は少し前向きに思えますが、これはあくまでも“ロシアによる攻撃”の場合であり、ロシアに対する攻撃への反撃手段としては否定されていない点は要注意です。

例えば最近、ロシア軍の内規に反して、ドンバス地方に駐留している兵士が私用の携帯を使ったために、ウクライナ軍に位置情報がバレて、攻撃を受けて90名超が殺害されたエピソードは、ロシアがすでにドンバス地方を“併合”し、ロシア連邦に編入していることから、解釈的には“ロシアへの攻撃”と捉えられかねないという懸念があります。

これはスロビキン総司令官(Mr.アルマゲドン)をはじめとするロシア軍内の強硬派がどんどん影響力を増し、プーチン大統領に対して直接的に報告することが多くなっているため、核使用に実は慎重と言われているプーチン大統領に対して核兵器の使用を進言しかねないと懸念されているからです。

今のところ、ロシアの核兵器は厳重に管理されており、臨戦態勢に置かれてはいるものの、使用されることはないと考えられますが、かつてアメリカの国防長官だったペリー氏が言ったように「人間は間違いを犯し、機械は故障する」という核兵器をめぐる安全保障コミュニティの教訓を私たちは意識しておかなくてはならないでしょう。

ウクライナ戦争において、2023年に決定的なことが起こるかは微妙だと考えますが、問題はどこまでウクライナ国民が飢えと寒さに耐え、同時にウクライナ軍による反攻攻勢を心理的に支え続けられるかでしょう。

補給路は破壊され、電気もガスも届かず、食糧の確保もままならない中、どこまでウクライナの人々が持ちこたえられるか、とても心配です。

国際社会からの支援物資や毛布、食糧などは、残念ながらウクライナ国境の反対側に長蛇の列となっている輸送トラックに中に積まれたまま、ウクライナに入ることが出来ていないようです…(私も頑張っていろいろと送っているのですが)。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 他国の説得も効果なし。プーチンが打って出る「ゼレンスキー斬首作戦」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け