「異次元」と言い切るほどの少子化対策をする前に岸田総理がすべきこと

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3.AIと中間管理職

一時期、「AIの進化によって、人の仕事が奪われるのではないか」という話題が盛り上がりました。

産業革命は、人間の筋肉と骨を強化した技術だったと思います。人の何倍もの力もスピードでシャフトを回転させたり、荷物を持ち上げたり、移動したりします。その筋肉と骨の運動を制御するのは人間でした。

コンピュータ革命は、脳や脊髄の機能を代替えするものでした。機械とつながれば、反射的な反応をしたり、機械をプログラム通りに制御することができます。

インターネットは神経です。世界中に神経が張り巡らされ、情報が一瞬で届くようになりました。感覚器となるカメラ、センサーと脳がつながることで、世界を観察し、分析できるようになりました。

AIの進化によって、大量の情報を処理することが可能になり、自ら学習し、プログラムを作れるようになりました。AIによって、機械は魂、命を得たのかもしれません。

AIで奪われる仕事はカフェの店員のような簡単なサービス作業だと言われましたが、私はカフェの店員は生き残ると思っています。単純に飲み物を運ぶだけなら機械でもできますが、アイコンタクトやちょっとした会話、仕種などが実は重要な役割を果たしているからです。それを見て、顧客は癒されたり、リラックスできたりするのです。

むしろ、なくなるのは店長の仕事ではないでしょうか。アルバイト店員のローテーションを決めたり、天候やイベントの有無で売上を予想したり、仕入れを決定する仕事はAIが代替えできます。

経営者と現場のスタッフは人間でなければできませんが、中間管理職、マジメントの仕事はAIが担当できます。現場の人間が判断に迷ったら、AIに報告、相談して意思決定してもらえばいいのです。重要な案件は、経営者につなぎます。そうなると、都心のオフィスビルで働く社員の大部分が必要なくなります。

この合理化により、現場スタッフの給料を思い切って上げることができるでしょう。そして、現場の仕事こそ価値があり、人間が担うべき誇りある仕事になると思います。

そうなれば、労働力不足は起きないのではないでしょうか。

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