無能で無策で無責任。三拍子そろった施政方針演説で岸田首相が吐いた大ウソの数々

 

岸田首相が勝手に改定した「安保関連3文書」には、「敵基地攻撃能力」だの「自衛隊の中に米軍と共同の統括司令部を設置」だのと、完全に憲法違反の項目が並んでいます。日本国憲法第2章「戦争の放棄」、俗に言う「第9条」には、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記されています。

しかし岸田首相は、今回の演説の中で「まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要です」と述べ、そのために「5年間で43兆円の防衛予算を確保し、相手に攻撃を思いとどまらせるための反撃能力の保有を進める」と述べました。また、先日の訪米の際のワシントンでの会見では、「防衛力を抜本的に強化するとは、端的に言うのならば、戦闘機やミサイルを購入するということです」と述べています。

つまり、増税してまでアメリカから大人買いするトマホークミサイルや欠陥戦闘機を大量に配備することで、「敵対国を威嚇して攻撃を思いとどまらせる」という話です。これって、憲法第9条に「永久にこれを放棄する」と明記されている「武力による威嚇」ではありませんか。その上、「自衛隊の中に米軍と共同の統括司令部を設置」するのですから、自衛隊は米軍の司令官の指揮下となり、アメリカが始めた戦争に、米軍の下部組織として駆り出されることになるのです。これも第9条に「永久にこれを放棄する」と明記されている「戦争」や「武力の行使」に該当します。そして、これだけでも大問題なのに、その財源については、次のように述べたのです。

「そのためには、令和9年度以降、裏付けとなる毎年度4兆円の新たな安定財源が追加的に必要となります。歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保などの行財政改革の努力を最大限行なった上で、それでも足りない約4分の1については、将来世代に先送りすることなく、令和9年度に向けて、今を生きる我々が将来世代への責任として対応してまいります」

どうして岸田首相は、「それでも足りない約4分の1については、将来世代に先送りすることなく、増税で対応します」と言わないのでしょうか?新年早々、あたしたちを爆笑させてくれた「異次元の少子化対策」についても、岸田首相は「こども・子育て政策への対応は、待ったなしの先送りの許されない課題です」と述べ、今回、アレやコレやと政策を羅列しました。しかし、それらをすべて概算すると約10兆円もの予算が必要なのですが、岸田首相は財源については触れずじまい。

財源に触れずに政策だけを羅列するなら、どんなことだって言えちゃいます。どう考えたって何かしらの増税をしなきゃ予算が作れないのに、口が裂けても「増税で対応します」とは言いませんでした。4月の統一地方選と5月の広島サミットが終わるまでは、「増税」の「ぞ」の字も口にしないという固い決意が垣間見られた、無責任極まりない演説でした。

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