2.年金積立金のそもそもの役割
さて、年金積立金は平成13年から大蔵省から独立して厚生労働省が独自に運用する事になりGPIFというところが運用を続けています。
年金積立金の運用は国の資金だから大蔵省が管理する!って譲らずに、ずっと厚生省に渡さずに来ましたが、小泉内閣の時に財政投融資というのを廃止したので、それがキッカケで厚生労働省にようやく積立金が渡る事になりました。
財政投融資という制度がある以上、郵便貯金や年金積立金のお金が自動的に道路公団のような特殊法人に流れてしまっていたからですね。
まあ、経済発展を続けていた頃であれば道路作ったりなど、潤沢なお金でインフラを整備する事で劇的に経済効果が上がっていたんですけどね。
もうそんな事したって大して経済が良くなるわけないですので、自動的に特殊法人に大量のお金が流れてくる財政投融資を小泉内閣(平成13年4月26日~平成18年9月26日)の時に廃止させたのであります(実際の廃止は小泉内閣発足前の平成13年3月でしたが、小泉元総理がずっと問題視していた)。
厚生労働省の自主運用を開始して以来100兆円の運用収益を上げています。運用利回りはプラス3.38%とかその辺ですね。
非常に順調にやってるのではないでしょうか。2020年なんか過去最高の37兆円の黒字を出したのに、あんまり話題にもならなかったですよね。
しかし、そういう面はあんまり取り上げずに、短期的にマイナスになったらすぐに大々的にニュースにするというね。
この報道の差ですよ。
200兆円ほどの積立金があるから、ちょっとの上下で数兆円が動くから国民から見たら「うわー、年金ヤバいかも…」みたいに勘違いされてもおかしくは無いかもしれないですね。
正直、最初に言ったように年金積立金というのは年金の主な財源ではなく、主な財源は保険料と基礎年金に投入されている一般会計からの国庫負担です。
保険料と国庫負担では足りない時に調節弁(バッファー)として使うのが積立金です。それに結局は今後100年間のうちに年金積立金が年金財源に貢献する割合はしょせん平均して1割程度なものです。
なので、急に積立金が半分くらい吹き飛んだところで年金支給が無くなるわけでもない。
この記事の著者・hirokiさんのメルマガ