そもそも年金積立金は日本としては多すぎなくらいです。
どのくらいかというと、年金は1年間に60兆円ほど支払ってますが、積立金は年間の年金給付の約3~4年ほどの額があります。200兆円を超えるくらいですね。
アメリカも日本と同じくらいの年分持っているくらいです。
しかし他の国(ヨーロッパあたり)なんかは、年金積立金は2~3ヵ月分ほどしか持ってませんが、別に破綻するとかいう話は聞きませんよね。
年金は保険料と一定の国庫負担で支払いますが、年によっては不景気や被保険者の減少などで保険料の収入が少なかったり、もしくは支払う人が増えて思いのほか保険料収入が多い時があります。
前者の場合は一時的に保険料と国庫負担だけでは足りなくなるので、足りない分を積立金から拝借して年金支払いに支障が無いようにします。
後者の場合は収入に余剰が発生したから、積立金の中に入れておきます。
個人単位で見る場合も、何か余計に支払いが発生して給料だけではその月の支払いが足りない時は貯金を取り崩したりしてなんとかしますよね。
逆に給料だけでその月の支出を十分やりくり出来たら、余った分を貯金に回したりしますよね。
積立金の役割はそれと同じです。
だから、積立金の話から年金は破綻するとか、もう将来は貰えなくなるとかいう話を真剣にしてる専門家の類の人(経済学者みたいな人が多い)を見ると何を言ってるんだろうと不思議に思います。
とはいえ、何か権威のあるような人がそういう事を言ってたりするから、国民が騙される点が困ったものです…。
年金積立金って年金給付の調節弁でしかないものなので、本当は僕としては年金の本質の外にあるような話はあまりしたくないのであります。
まあ、運用が絡むからそういう話が好きな人で楽しんでくださいといった所でしょうか。
しかし、わざわざ短期的に運用がマイナスになった事を取り上げて、国民に不安を煽る報道のその姿勢には憤りを毎回感じます。
これからもそういうニュースが続くのかと思うと、それはもう国民が騙されないように知識を持っておくしかないです。
年金積立金は超長期運用でやってるので、短期的な運用がどうこう言っても仕方ないです。
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