なぜ「手作りの湯たんぽ」に注文が殺到し、ここまで話題になったのか?

Hot water bottle with knitted cover and checkered plaid on bedHot water bottle with knitted cover and checkered plaid on bed
 

足が冷えて眠れない…これは多くの冷え性の方が経験していることではないでしょうか。そんな時、とても役に立つものとして想像するのは「湯たんぽ」ではないかと思います。今回は、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんが「 世界初の湯たんぽ」を作り上げ、芸能人などにも人気となっている企業を紹介しています。

冷え性の方をターゲットにした、世界初の「湯たんぽ」を分析する

今号は、世界初の「湯たんぽ」を分析します。

● ヘルメット潜水株式会社が展開している「クロッツ やわらか湯たんぽ

冷え性の方をターゲットに 「手間をかけた独自の製造技術」に支えられた「温泉のような温もり」「体の芯からポカポカになる」等の強みで差別化しています。

世界初であることや芸能人が利用していることが話題となり注目を集めた結果、注文が殺到し、製造・出荷が間に合わない状況になっています。

■分析のポイント

「湯たんぽ」と言えば、容器にお湯を入れて、布団の中を温めるものという認識の方が多いと思います。

そう、あくまでも「容器」という位置づけです。

当たり前のことですが、容器は、文字通り「器(うつわ)」です。

器は、硬いものを想像しますよね。ふにゃふにゃした柔らかさでは器としての機能を果たせませんからね。

ちなみに、「湯たんぽ」は、室町時代には日本で使われていたようですが、当時から硬いものでした。

しかし、今回、取り上げた「クロッツ やわらか湯たんぽ」は、その限りではありません。

つまり、器でありながら、柔らかいのです。

この柔らかさが、今回のポイントになります。

当たり前ですが、基本的に器は、何かを入れるものであり、それ以外の用途は想定されていません。それは、器は硬いものであるという前提があるからです。

しかし、「クロッツ やわらか湯たんぽ」のように器を柔らかくすれば、履いたり、首に巻いたり、座ったりできるものになるのです。

器というよりは、袋の方が言葉のイメージに近いように思います。

私がふと思ったのは、「氷のう(アイスバッグ)」の温かいバージョンです。

「氷のう」はスポーツ選手がアイシングに使うものですが、肩や肘、膝、足首など、冷やしたい箇所を局所的に冷やすことに有効です。

想像していただければ、わかると思いますが、「氷のう」の素材が硬かったら、うまく冷やすことはできないでしょう。

「クロッツ やわらか湯たんぽ」も同じで、柔らかいからこそ、用途が広がり、用途に合わせて様々な形状になっていった印象です。

「湯たんぽ」の前提を覆し、「湯たんぽ」の新たな可能性を広げたことは称賛されて良いことだと、個人的に思います。

今後、「クロッツ やわらか湯たんぽ」がどのように拡がっていくのか注目していきます。

 

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