精神科医が解説。この時期あぶない「5月病」の原因と対策虎の巻

Asian office worker being tired
 

3月4月は退職や転職、新しい職場や役職に就いたりとこれらのストレス指数の高めなイベントが目白押しになっています(個人的には別のストレス指数でもクリスマスってストレスなんや……とそっちにビックリしてます)。

そんな中最初は「慣れない環境」に人間は期待と興奮と緊張でなんとか適応します。ここで適応し切れない人が第一次適応障害として4月早々しんどくなり始め、受診にこられたりします。正直向いてない仕事に無理やり長く勤めようとしても、メンタルが折れた時に回復まで時間がかなりかかりますから早めに「あ、これ向いてないわ」と思ったら受診する前に仕事をさっさと退職したほうが正直その後元気に過ごせると思いますが基本的に受診にこられる人は真面目なのでそんなことは考えません。

「4月から働き出して……まだ10日なのに……」と診察室で泣き崩れる人もおられますが人間のメンタルは3日もあればへし折れますので気にしないで欲しいなと思います。

で、5月病です。

5月病は4月に折れなかったものの、期待と興奮と緊張が緩み出してから一気に襲ってくるしんどさになります。例えば第一志望の難関大学に合格したとか、憧れの仕事に就くために故郷を離れて就職したとか。そんな感じで実家を強制的に離れた人が4月からの環境の激変に色々その人なりに適応していたとしましょう。いきなりの一人暮らしは新しい環境だから最初は寂しさよりも開放感とか自由とかそういうものにばかり目が行きがちです。でもメンタルは地味にボディブローを食らっています。

そんな状態に気付かずにゴールデンウィークに帰省をしたとしましょうよ。ああ、故郷の訛り!故郷のソウルフード!オカンの小言はうるさいけどゴロゴロしてたら出てくる飯!地元に残った友人と今何をしてるのかをちょっと盛り気味に報告しあったり!そんな数日を過ごしている間にゴールデンウィークは終わります。

帰りの電車や飛行機の中ではまだ「うわ~1ヶ月しか経ってないのに懐かしかったかもw」程度だった望郷の気持ちが、一人暮らしの自宅に帰って誰もいない部屋に向かって「ただいま」とか言ってしまった瞬間に一気にホームシックになる人もいます。

いやいや、一人暮らしは気楽だよ、大好き!自由!と思っていても、ふと気付くと眠りが浅くなったような気がしたり、皆と囲む食卓を思えば食事の量が落ちていたり(面倒くさくて一食抜いたり)……となってくると通学通勤へ向かう足取りが重たくなってきます。

このタイミングで発症する適応障害を昔から「5月病」と言ってきました。つまり「5月病」というのは「5月に発症する適応障害」ということになります。

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