好調のサイゼ、苦戦のモス。シンガポール進出「飲食チェーン」の今

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日本でチェーン展開する飲食店が海外に出ていくのは当たり前の時代。多くの飲食チェーンが進出しているシンガポールを訪れたのは、メルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』著者で、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。現地で見聞きした代表的なチェーン店の現状を紹介し、好調に展開できているお店と、苦戦しているお店双方からの学びを伝えています。

シンガポールに進出する日本の飲食チェーン

日本で多店舗展開される企業は現地でもほぼほぼ見ることが出来ます。参入方法自体は各々ではありますが、繁盛している企業・不調な企業と当たり前ですが明確に出ていました。

・サイゼリヤ 現地で物凄く強いサイゼリヤ。やはり「コスパ」は受け入れられていました。日本国内は赤字の同社ですが、シンガポールは下記の結果。

店舗数:31店舗
売上2Q:3,017百万円
営利2Q:378百万円(12.5%)

利益貢献度で見ると香港を抜いて、3位のポジションに上がっています。

・シャトレーゼ
こちらも「コスパ」と「高品質」をマッチした独自のポジションを確立。店舗数は41店舗。着実に展開されていらっしゃいます。小箱を含めてなので単純比較はできませんが、現地ローカルの人と話していても認知度が高いのは実感しました。

また大きなPOPが飾られており、

ニッポンから直輸入!
商品はすべて日本で作られています。
日本の品質、日本のおいしさを
そのままお楽しみいただけます。

このように訴求されているのは印象的でした。

・モスバーガー
価格帯としては、単品で400円台なイメージです。和牛バーガーで850円くらいです。店舗数は49店舗と国別で見ると、台湾に次いで2位の多さになります。

ただ前年度と同じく不採算店が多くそこの見直しが進んでいきそうです。

・勝てる立地で店舗生産性が低い
・集客が弱い立地に出店している

など、がっつり現地でリーダーシップを発揮できる人がいないとこれは大変だなと感じさせられました。

・てんや
店舗数自体はまだ3店舗ですが、2021年に双日との合弁企業を作りここから加速していきそうです。てんやではなくロイヤルホストの出店も計画されています。

価格帯としては、

天丼 :1,000円
上天丼:1,350円

このような感じです。

完全ローカル対象だと高い金額ですが、立地的に家賃は高いながらもその金額を払える客層が多い所に出店。土曜日の夜に見ましたが、この時にはほぼ満席状況でした。

・回転寿司
ここは各企業出店が加速されています。そもそも、食材の調達も加工も海外の場合、日本で無理して売る必要もありません。日本で調達し加工していれば話は別ですが、経済合理性として単価が高く売れる国に店舗数を増やすのは当然の流れでした。

・その他
CoCo壱・やよい軒・ペッパーランチ・和民・焼肉ライク・すき家・吉野家・元気寿司などなど、一部ではありますが、主要な立地に着実に展開されています。

ただやはり集客が厳しくなると、

・アイテムの拡充
・オペレーションの煩雑化

という飲食が苦しむあるあるパターンもあり、これはシンガポールに限らずですが何とか頑張って欲しいと思う状況も。

日本食のライフサイクル

日本食のライフサイクルは選択肢あれども、まだまだ進んでいないのも実感しました──
(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年6月26日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by:TY Lim/Shutterstock.com

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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