ビッグモーターの経営陣は熟読せよ。経営改革で躓くポイントを解説

 

3.失敗の原因

確かに、今回作った経営計画書は、利益を考えることを強調したものになりました。計画達成のために各部署が「いつ、何をやるか」という具体策も盛り込まれています。また、今まで進めてきた事業多角化をやめ、本業に徹するという方向性も明確にしました。

このことで、当初にあげられた3つの問題は解決されて行くはずです。経営改革にも匹敵する経営計画と言っていいでしょう。

ところが、経営計画の実行は、そんなに簡単なものではありません。往々にして、改革には痛みが伴います。特に人事は難しいです。人の心という問題に突き当たりますから。今回の経営計画の実行にも、その問題がつきまといました。

それに、組織の形を変えれば、会社が良くなっていくというわけではありません。その部署に所属する人たちが、経営計画における組織の意味を理解しなければ、うまく機能しません。

残念ながら、今回の経営計画を作る過程では、その点が十分に配慮されていませんでした。現場に入ってドロドロになりながら経営計画を作っていただいたBコンサルタントには申し訳ない結果が待っていました。結局、この計画は達成されずに終わってしまったのです。

そこで、私なりに失敗となった原因を考えてみます。

・経営者がその気にならなければ、改革は上手くいかない
・計画には、会社の目指す姿が明確になっていない
・経営者の目指す方向が、計画書と食い違っている
・数値計画は明確になっているものの、4P戦略のような具体的戦略が組みこまれていない
・必ず改革の反対勢力は生まれるので、その対策が考えられていない

いかがでしょうか。経営計画を実行するのは、難しいことです。経営改革ともなれば、なおさらです。

さて、あなたのお店の経営改革はどうでしょうか。今回の事例から思い当たることはありませんか。

■今日のツボ■

・経営者がその気にならない限り、経営改革はできない
・経営改革には、必ず抵抗勢力が現れる
・経営改革では「人の心」という問題がついて回る

image by:Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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