経営が行き詰まって「倒産」を選ぶ企業は後を絶ちませんが、その「倒産」の種類にも近年、少しづつ変化が見られるようです。メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんは、以前は「法的整理」が大半を占めていたが、昨今の倒産手続きでは「私的整理」を選ぶ会社が増えていると語ります。今と昔では一体どう違うのか、具体的な例をあげながら判りやすく説明しています。
倒産の種類~近年は私的整理が増加
つい10年ほど前までは、法的整理が大多数を占めていましたが、
【昔】
- まずはリストラやリスケ、資産処分等によって生き残りを図る
- それでもダメなら再生型の法的手続き(和議、民事再生など)
- それもダメなら破産
【今】
- まずはリストラやリスケ、資産処分等によって生き残りを図る
- それでもダメなら中小企業活性化協議会等を活用した私的整理
- 第二会社方式やM&Aも絡めて、数々の手法を組み合わせる
- 最後に、GoodとBad、
つまり事業と負債を切り離すことができたら、負債の部分を、 何らかの方法で清算する。 - 何らかの方法とはすなわち、特別清算、破産、
合意を得た上での債権放棄など - 経営者個人の連帯保証も、できるだけ破産せず、
経営者保証ガイドラインの活用などを検討し、 それがダメなら話し合いによる減免交渉、 それもダメなら最後に個人破産など
このように、
再生に強い弁護士さんも、よく、「最近は私的整理が増えた」
ただ、これらは素人判断では実行できません。実行どころか、
専門家とは、
- 再生に強い弁護士
- 各都道府県にある中小企業活性化協議会
- 事業再生コンサルタント
この3つが主でしょう。
(メルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』2023年9月10日号より一部抜粋。
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