「虐待禁止条例案」は支持団体の意向を汲んだ?成立断念の自民埼玉県議団にチラつく“あの宗教”の影

2023.10.10
by kousei_saho
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どこまで子育て家庭をいじめ抜くつもりなのだろうか。自民党埼玉県議団(田村琢実団長)が提出し、県議会福祉保健医療委員会が10月6日に可決した「虐待禁止条例」の改正案。小学校3年生以下の子どもについては、ゴミ出しのような短時間の留守番や、子どもたちだけでの登下校などがすべて「親による虐待」に当たるとする内容に対して、「あまりに非現実的」との批判の声が県民らから相次いで上がった。


自民県議団の「言い分」

なぜ自民県議団はこのような子育て現場を無視するかのような条例を提出したのだろうか。地元紙「埼玉新聞」は、その目的を「住居や自家用車内に児童が放置されて死亡する事案を防ぐ目的」と報じている。

子死亡、車に残され…悲劇なくしたい埼玉、全国初“児童放置禁止”義務化を検討へ 条例改正案を提出、可決されると来春から施行 小3以下の児童、家などに残し外出禁止 集団下校、ひとり親は

しかし埼玉県によれば、10日午前10時までに871件の反対意見に対して賛成意見は2件にとどまっているのが現実だ。

党の身内からも反対の意見が

この条例提出には自民党の身内からも反対意見が続出。安倍内閣では文科大臣を務め、現在は自民党埼玉県連会長でもある柴山昌彦衆院議員は「国会議員たちには寝耳に水でした。早急に善処を求めていきます」とポスト。

埼玉5区選出の牧原秀樹衆院議員も「これだけの反対の声がある中強引に進めるのは私は断固反対です」とした。

子どもだけの登下校や「お使い」さえ禁止と言った子どもたちの自立心醸成を妨げるような内容に、「違法」状態を認知した場合の通報義務まで課す異常な条例。しかし当初は強気の姿勢を見せていた自民党埼玉県議団も、県民から猛反発を受けた上に党本部からも見放される形となり、10日午後になって「成立断念」、取り下げを発表した。


拭い切れぬ「あの教団」との関連疑惑

ネット上で心配されていた、日本テレビ系列の人気長寿番組「はじめてのおつかい」の埼玉県での放送禁止という事態は免れた。しかしながら子育ての責任を過剰なまでに親に求める今回の改正案は、独特の家族観を持つ「自民党を支持する某宗教団体」の意向が反映されていたものではないか、との懸念は拭い切れない。

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