原発のALPS処理水はNGでも「腎臓ろ過水」ならOKということか。中国の現地メディアは23日、日本にもファンが多い「青島(ちんたお)ビール」生産工場の原料に放尿している動画に関連し、山東省の公安局が動画撮影者と小便をした疑いのある人物を逮捕したと報道。犯人は外注企業荷役労働者とみられるという。
この動画は今月19日に中国のSNS「微博」に投稿されたもので、青い作業着に身を包み黄色いヘルメットを被った男が、ビールの原料に堂々と放尿しているかのような模様が映されていた。これが日本や韓国でもSNSを通じで一気に拡散、物議をかもす結果となった。
10月19日,山?平度,青??酒三厂的工人被曝在原料?内小便。 pic.twitter.com/b6j6m4Inqc
— 李老?不是?老? (@whyyoutouzhele) October 20, 2023
株価も大幅下落、「火消し」に追われる各国の輸入会社
中国国内のみならず、日韓を始め世界100カ国以上で愛飲されている青島ビール。その人気に「水を差す(尿を差す?)」行為に、各国から批判の声が上がったばかりでは済まず、23日には株価の大幅な下落に襲われる結果となった。
幸い、と言っては語弊があるが、動画が撮影されたのは輸入用のビールの生産工場ではなかったとのことだが、各国の輸入会社は対応に追われている。2014年に青島ビールの日本総代理店となった池光エンタープライズは24日、HP上に「日本市場で販売されている青島ビールが第三工場で製造されたものではないことを、ここに証明致します」との、青島ビール社からの正式文書の内容を掲載。
● 中国産「青島ビール」に関する動画についてのご連絡:第一報
韓国の輸入会社「BK」も、「(放尿動画が撮影された)関連工場で製造されたビールは国内に輸入されていない」と発表した。
アンケートで明らかになった「驚きの結果」
海外へ輸出されることはないという「放尿ビール」。ではこのビールを口にする可能性のある中国の人々はどう捉えているのだろうか。今回の事件を受け、現地のネットメディアが行った最新アンケートの結果が「微博」に掲載されたが、その結果は衝撃的なものだった。
日本であれば、「もう飲まない」「当分飲めない」「安全性がわかるまで飲まない」という意見が大勢を占めるのが妥当だろう。では、中国のネット民はどう答えたか。
「青島ビール事件はビール選びに影響するか?」との質問に、回答者の24%が「いいえ」「ブランドを信じています」という選択肢に投票。地理的な順位では、青島ビールのお膝元である山東省の回答者の割合が最も多かった。
また、新浪金融@が発表した世論調査の結果によると、ネットユーザーの26%が「飲み続ける」という選択肢に投票し、ここでもやはり山東省出身者の「支持」が22%と最も多い結果となっている。
「リッター234円で妊婦の尿買い取り」の記事も
地元愛なのか、はたまた「小さいことは気にしない」という国民性なのかは定かではない。まさか彼らが「尿と好む」とは思えないが、日本のネットでは「中国『リッター234円で妊婦の尿買い取り』医師は感染症のリスク指摘」という記事も出回っている。もっともこちらはその成分を「不妊治療」等に使用するためとのことではあるが、記事のタイトル通り産婦人科専門医が問題点を指摘している。
日本でも飲料に尿を混入させる嫌がらせ事件はたびたび発生しているが、「“放尿ビール”何ミリリットル混入から人は気づく?ドイツの実験でわかった新事実~」といった記事が公開される日もそう遠くないのかもしれない。読者諸兄においても、普通のビールの「泡立ち具合」をしっかりと覚えておく必要がありそうだ。