中国で子供を中心に大流行している呼吸器疾患。世界保健機関から詳細な報告の要請を受けた中国当局は「新たな病原体は確認されていない」としていますが、コロナの流行初期と重ね合わせ不安を訴える声も聞かれるのが現状です。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国の情報の信頼性を疑う記事を引きつつ、隣国の隠蔽体質を批判。さらに従来の水際対策では中国からの病気の流入を防ぐことは不可能であり、このままの体制では日本を守ることができなくなるとの見方を示しています。
※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年12月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。
中国で呼吸器系疾患が爆発的に流行。日本への飛び火はあるのか
中国で再び呼吸器系の疾患が大流行していることは、日本のニュースでも大きく取り上げられています。そして、このニュースには全世界が肝を冷やしているのではないでしょうか。さっそく世界保健機関(WHO)は中国当局に詳細の報告を求めました。WHOは、コロナがパンデミックとして世界中に拡散した際、初期の情報発信の遅れを批判されたことを教訓に、早めのアクションに出たようです。
それに対して中国保健当局は、「いまのところ未知の病原体は発見されていないことを確認した。中国の人々に対しワクチン接種やマスク着用、手洗いなどの一般的な感染防止策をとるよう推奨した。外国には現時点で渡航や交易の制限は必要ないとした」と発言しています。
そして今、日本でもインフルエンザは大流行しており、子どもから大人までが罹患しています。これを中国のせいだと言うつもりはありません。しかし、中国の情報発信は信頼性に欠けています。その信頼性のなさについて説いている報道を以下に一部引用します。
2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際も、2020年に始まった新型コロナウイルスのパンデミックの際も、中国が行う感染症の監視と報告は世界的な批判と検証の対象となった。
中国当局はSARSと新型コロナのいずれにおいても、初期の症例を隠蔽し、さらなる情報提供や患者データへのアクセスを求めるWHOを含む海外の保健関連機関の要請にまともに応じなかった。
「間違いなく、中国からの報告には透明性の点で懸念がある」。オーストラリアのニューサウスウェールズ大学でグローバル・バイオセキュリティを専門とするレイナ・マッキンタイア教授は、「新型コロナウイルス感染症のときに起こったことを踏まえ、WHOは先手を打つ決断を下し、この段階で中国に情報提供を要請したのだと思う。これは良いことだ」と話した。
つまり、自国に都合の悪いことは黙秘するか、虚偽の報告をするかだというのです。中国のこうした隠蔽体質が、世界中にコロナが拡散した一因だということは多くの識者が指摘するまでもなく、世界的な常識となっています。
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