いじめ被害保護者を“モンペ扱い”の異常事態。学校や教育委員会の卑怯な「隠蔽手段」

 

情報開示についてのいやがらせ

Bさん 「私が一番苦労したのは、情報開示請求です。書類を特定しないと開示しないという対応でした」

 

Cさん 「うちは露骨に嫌な顔をされ、大声で、こんな書類ないよね~とやられました。小さな市なので、こうしたケースでの情報開示は初みたいでした」

 

Aさん 「私は、いつからいつまでの、○○に関する資料一式とか、学校が作成した、教委が作成したと書いて出しています。コツは特定しないことです」

 

Bさん 「それだとだめで、海南市では書類を特定してくださいと突っ返されました」

 

阿部 「しかし、地方行政では書類の表題が統一化されていないので、内容は同じでも地域によって、題名は異なるということはよくあります。形式も違うことがあるし、特定させるなら目録出せってなりますよね」

 

Aさん 「公開情報についての法律だと、確かその内容を示せばよいはずで、その海南市の窓口対応は法律違反になると思います」

 

阿部 「難癖付けて出さないということですね。まあ、海南市はいじめ防止対策推進法ではいじめだが、ここは海南市なんで…と言っていじめを認容しなかったという記録もありますから、ちょっと感覚が違うのかもしれませんが…」

 

Bさん 「具体的に書くとないと言ってくる、窓口の段階で大きなハードルがありました」

 

Cさん 「情報開示請求をするために役場に行かなければならない上、ものすごく待たされるというのもかなりの負担になります。湖西市でも書類の名前がわからないと出せないというのがありました。元学校関係者の方が協力してくれて、色々試行錯誤して請求しました」

Aさんが言うには、神戸市の場合はネットからもできるとのことであったが、個人情報については、窓口に行かねばならないとのことであった。理由があれば郵送でもできるということだが。

Aさんは実際はあるはずの書面を「不存在」とマーキングされ、書類がなかったことにされていた、それがおおよそ15年間ほど、粘り強さが神レベルでないと普通はその間、堪えられないであろう。

Aさんと私のやり方は共通しているところがあるので、公立の学校に通い、いじめに遭って、学校などが作成した資料を情報開示請求をする場合

「『期間』『どこが』『なにを』の資料一式、もしくは資料の全て」

と請求すると良い。

そして、書類名を特定しろというのは、法律違反であろう。行政機関の保有する情報の公開に関する法律の第4条には「特定するに足る事項」とある。

(開示請求の手続)

第四条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を行政機関の長に提出してしなければならない。

 

一 開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名

二 行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項

例えば

「令和2年1月から令和4年12月1日までに、〇×市教育委員会が〇▲のいじめについて作成した資料の全て」

と求めると良い。

Aさん 「私の場合、その下に例えばと書き、より詳しい事項を書き込みます」

こうしてより具体化しつつ、学校が教育委員会に報告した内容やそのやり取りなどを開示していく。

開示された公文書は、そのもの自体が証拠価値があり、仮にそれが誤っていたら、訂正を求める他、隠蔽しようとする場合にどのようなストーリーを考えているかなど対策上の情報価値は高いのだ。

Bさん 「私が思うことですが、情報開示にしてもはじめてのことだし右も左もわからないでやっていきますから、サンプルとかリストのようなものがあれば、役立つと思います」

 

阿部 「例えば、第三者委員会の委員について調べて欲しいというような要望も多くあります。原則としては、経歴書や推薦状などを確認することになりますが、委員が利害関係者であったりその関係者と懇意であったという事例は多くあります。そういう意味で、委員のリストなどもあると良いかなと思って評価などを集めています」

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