松本人志報道で持論、爆笑問題・太田光がサンジャポで視聴者についたウソ、太田の「大人の意見」に騙される人々…浜田も「告発」で窮地か

2024.01.29
by kousei_saho
tr20240129
 

『週刊文春』による松本人志(60)の性加害疑惑報道に揺れる芸能界。そんな中にあって、28日に放送された「サンデージャポン」(TBS系)で、MCを務める爆笑問題の太田光(58)が松本を巡る報道に関して思うところを述べ、反響が広がっている。

この日太田は、文春に証言を寄せている女性たちについて、過去に松本との間であったこと、松本から言われたことを傷として抱えている彼女らが、「あれは傷だよねって思ってくれる社会になってもらえたら自分もやっぱり傷だったんだって言える。そのことが彼女たちにとってはもしかしたら一番大事なこと」だったのではないかと推測。さらに彼女たちは、松本に立ち直れないほどの打撃を与えようとしていたわけではないのでは、と続けた。

しかし『週刊文春』に対してはトーンが異なる。「週刊文春っていうのは、いわゆるこういうことが過去に行われた、さあどうなんでしょう、組織的なっていう意味で社会に一石を投じるという意識があって」とした上で、「SNSの社会だから、文春が意図している以上に、私刑みたいなことが、それはもう制御できないぐらいに広がっていきますよね」と、「文春が報じたことにより私刑が起きた」と発言したのだ。

このコメントに対して、ネット上に「賛同の意」があふれる。

《太田さんの発言に同意します》

《今回ばかりは太田の言うことが正しい》

《文春の意図通りに私刑が起きてる》

《有名人に対する社会的な私刑に繋がる、ということは報道機関としてわかっていたはず》

《こうなる世の中であることは文春もわかっているはず》

ただ一方で、このようなポストが投稿されているのも事実だ。

ともあれ、概ね好意をもって受け止められている今回の太田の発言。しかしながら、彼がサンジャポで発したコメントには、重要な観点が抜けているとは言えないだろうか。そしてその意見に納得してしまった視聴者は、控えめに言っても「騙されている」ことに気づくべきではないだろうか。

太田のコメントには何が不足しているのか

ここで考えてみるべきは、週刊誌やネットメディアの影響力は、どのような際に最大化するのか、という問題である。IT業界に長く身を置く40代の男性に聞いた。

「それは単純明快でして、国民に広く報じられて然るべき大問題を、テレビや新聞といった大手かつ主要メディアが黙殺してみせたり、明らかに曲解して伝えていることが見え見えのときですよね」

まさに松本の「性加害疑惑」が報じられ始めた時期、完全に黙殺したのはテレビであり、新聞といった大手メディアだった。ジャニーズ問題も然り、である。彼らが報じない限り、週刊誌やネットメディアがその情報を伝える役割を担うことになるのは当然の成り行きだ。

マスコミ関係者は、このような構図をどう見ているのだろうか。週刊誌への執筆経験を持つ元記者はこう話す。

「大手メディアが報じないことを伝えるのが週刊誌の社会的存在意義とも言えると考えています。『週刊文春』さんはそこにバッチリはまったと言いましょうか」

確かに、テレビや新聞が故意か否かは定かではないが報道せずにいたことを、文春は幾度もすっぱ抜いている。当時の木原誠二官房副長官(53)夫人の元夫の不審死事件などはその筆頭で、主要メディアは完全無視を貫いていたが、文春だけが追撃を続けたのは記憶に新しい。

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2016年には経済再生相だった甘利明(74)の現金授受を伴う口利き疑惑をどこよりも早く報じ、大臣を辞任に追い込んでもいる。

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ちなみに84年に発覚した「ロス疑惑」をスクープしたのも『週刊文春』であることを付け加えておく。

なにが『週刊文春』をここまで大きくしたのか

大手メディアが報じないことを伝えることで、社会的意義を得たという週刊誌。上智大学の音好宏教授は「政界の『スクープ』はなぜ週刊誌から?――メディアの役割分担と政治的中立」の中で、「出版社系の雑誌などは、その存続が毎号の販売部数にかかっています」とするが、『週刊文春』の収益性をここまで高くしたのは、実のところ彼らの経営努力以上に、新聞やテレビの「怠惰」があるのではないだろうか。実際、大手メディアが視聴者や読者が知りたいことを伝えれば、つまり本来の役割を果たせば、週刊誌のすべてが廃刊になると言っても過言ではない。

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「大手メディアが報じないことを伝えるのが週刊誌の社会的存在意義」と語った元週刊誌記者は、こうも言う。

「読者が知りたいと思う真実を報じることで、国民の知る権利をサポートしているという一点のみをもってしても、週刊誌は十分に社会貢献の役割を果たしているのではないでしょうか。その内容を読み、今後の社会のあり方や国の行く末を考えるのが、政治家や国民の仕事ではないかと」

あくまで週刊誌は大手メディアが行わない「問題提起する側」という考え方と言って差し支えないだろう。提起された問題を炎上させるもさせないも、受け手に委ねられている。

松本人志と「共犯」関係にあるテレビ各局

では、テレビの側の人間は、この件をどう見ているのだろうか。NHKや民放キー局で番組制作に携わった経験のある50代男性が解説する。

「そもそもテレビは総務相の許認可事業で、各局とも言ってみれば国民の電波資源を利用してビジネスをしているわけです。公共の電波というとNHKを思い浮かべる方も多いと思いますが、そういう意味では民放も同列と見ていいのではないでしょうか」

そんな「公共の電波」に松本を出演させ続けたテレビ局に対して、SNS上には厳しい声も寄せられている。

《知らなかったはずないんだから、テレビ局も松本の共犯者だよな》

《視聴率取れるからって出し続けてきたテレビ局の責任はよ》

《テレビ局員も松本も同じ穴のムジナみたいなものってこと?》

さらに言えば、テレビ局は上記指摘のように「共犯者」である上に「利害関係者」でもある。なぜなら吉本興業の株主に、ずらりと在京・在阪キー局が並んでいるからだ。

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自浄能力など皆無なテレビ局と芸能界

そんなテレビ局や芸能界に、自浄能力など皆無であることは言わずもがなだろう。今回の「松本騒動」でも、吉本興業は文春の報道の直後、聞き取り等一切することなく自社HPにで「当該事実は一切なく」と言い放ち、昨年12月29日放送のフジテレビ系『ワイドナショー年末3時間生放送SP』では今田耕司(57)が、文春が報じたような内容の発言を松本が言うとは思えないと発言。さらに21日放送の『ワイドナショー』レギュラープログラムでは、松本側が文春だけでなく、記事をリライトしたネットメディア、Xで「いいね」やリポストした人間も訴訟対象とする可能性を芸能リポーターが示唆するなど、メディアも事件をもみ消すような動きを見せていたことは明らかだ。

そもそも吉本興業は、宮迫博之(53)ら複数の芸人が処分を受けた「闇営業問題」が発覚した19年からこれまでの間、何一つ変わっていないとも言える。それはさまざまな問題が囁かれる三浦瑠麗(43)を、経営アドバイザリー委員会として起用していることからもうかがえる。

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21年にはモデルのマリエ(36)が島田紳助氏(67)からの枕営業強要を告発する動画がインスタにアップされ注目を集めたが、その後なぜかマリエが動画を削除するという敵方の「失策」もありスキャンダルの揉み消しに成功。今回の松本の件も、同様に揉み消しにかかったのだが不可能だった、と見ることもできはしないか。

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前出のテレビ関係者はこのように語る。

「ここに来て吉本やテレビ局は形勢不利と見たのでしょうか、松本さん擁護の姿勢を急変させました。だからといってそれを週刊誌がトリガーを引いたSNSでの私刑によるもの、なんて見るのはどうかと思ってしまいます。まずはテレビが自分自身を改めるべきです」

爆笑問題の太田の芸歴は36年。あまりに長くテレビの世界にいるため、自分がその中で活動する側の人間ということに、あまりに無自覚過ぎると言えよう。

吉本興業所属の芸人が訴えたパワハラ

奇しくも29日、吉本興業所属のお笑いコンビ「プラスマイナス」の岩橋良昌(45)が、浜田雅功(60)が出演する番組を多数手掛ける制作会社の社長によるパワハラをX(旧Twitter)に連投するも、翌日それらがすべて削除された一件が報じられ一部で話題となった。ちなみにその投稿の中には、パワハラを浜田が見逃したとするポストも含まれていたという。

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岩橋は「最終的には自分が納得し、ツイートを削除しました」と説明しているが、このような事態が起こる状況下で、太田が語ったような意見は勘違いの綺麗事にすぎないと言っていいだろう。

太田には、本記事で指摘した点も含め、改めて自身の考えを表明していただきたい。影響力が大きい太田に、それを期待して止まない。

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