トーストたったの30円!なぜ、大阪・堺市のとある喫茶店はモーニングを激安で提供できるのか?

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激安のモーニングを出す大阪のとある喫茶店。利益を出すには難しそうな激安価格なのですが、なぜここまで安く提供できるのでしょうか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが、その経営戦略を分析しています。

トースト+サラダ+ゆで玉子=90円。日本一安い喫茶店の経営戦略とは?

大阪府堺市に、あり得ない価格でモーニングを提供する喫茶店があります。

トースト30円、ミニサラダ40円、ゆで玉子20円。

いずれもドリンクを注文した場合の価格ですが、300円の水出しホットコーヒーと一緒に注文すれば、モーニングセットが390円ということになります。

しかも、朝だけのモーニングではなく、営業時間中、つまり終日この価格なのです。

コーヒーの水出しは手間と時間が掛かるのに、300円。カフェオーレ330円、ウインナーコーヒー350円。

他には、マスターがパンを手づくりしており、クロワッサン30円、スイートポテトパイ50円、アップルパイ100円、メロンパン100円などがあります。

こだわりのコーヒーの他にも、紅茶のオレンジペコ300円、ダージリン300円、アールグレイ300など、紅茶専門店のようなメニューも揃えています。

パスタ類は550円~、カレー類は450円~など、オーソドックスな喫茶店メニューも並んでいます。

なぜ、これほど安く提供できるのでしょうか。

マスター曰く「あれもこれもと欲をかかずに、昔に戻って、本来の喫茶店のスタイルでやれば良い」。とは言うものの、安過ぎますが。

多くの常連さんがいるので、薄利多売ではありますが、生活はできると言います。

オーナーは、50年近くコーヒー店で働いており、76歳で夢だった自分のお店を持ったのです。

古い長屋を自ら改装し、昭和の喫茶店という風情を創り出しています。

店内には、アンティークなカメラや写真、絵が飾ってあり、棚には本が並び、かなり昔からその場所に存在していたかのような佇まいとなっています。

オープンは2018年ですが、なぜか古びた感じが、居心地の良さを演出しています。

細かな物がたくさんあり過ぎて、多少煩雑にはなっていますが、それが気取らない堺市民の気質に合って、長居のできる空間になっているようです。

経費を掛けないように、内装をDIYしたり、パンを自分で焼いたりして、安く提供できるようにしているのです。

また、お客さまにはセルフサービスをお願いしています。

カウンターで注文して、できあがったら取りに行き、その場で代金を支払い、自分でテーブルまで運びます。これも安くするため。

サービスが無くても、お客さまが納得できる価格にすることで、毎日でも足を運んでくれるようになります。

毎日通っても、お金の心配がないお店づくりをしたのです。

いつもお客さまで賑わっている喫茶店。ゆっくりとした時間を過ごし、癒され、和む。

そんな場所のあるお客さまは幸せです。

それが、マスターの願いなのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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