バイデンが「大破綻」してしまった場合のシナリオ
それとは別に、仮に今週のNATOサミットや、木曜の単独会見でバイデンが「大破綻」をしてしまった場合には、もう1つ別の問題が浮上することになります。それは、
「(シナリオ1)バイデンは選挙戦から撤退するものの、大統領職は任期満了の25年1月まで務める」
のか、それとも、
「(シナリオ2)バイデンは職務遂行に耐えられないので、大統領職を即時辞任して直ちにハリスが昇任する」
のか、という問題です。
現時点では、「シナリオ1」が民主党の共通理解であり、それがジョー・バイデンというベテラン政治家への礼節だということになっています。ですが、仮に「大破綻」が起きてしまい、そのことが隠せなくなった場合には、「シナリオ2」の発動という可能性も否定できません。
いずれにしても、ハリス本人は「あくまでバイデンを支える」という優等生発言しかしていません。と言いますか、それしか言えないという状況だろうと思います。ですが、恐らく一旦動き出してしまえば、事態は一気に加速することが考えられます。
カマラ・ハリスというユニークな政治家が、アメリカ国政の最高の舞台でどのように振る舞おうとしているのか、否が応でも注目を浴びる時期が、恐らく数週間のうちにやってくる可能性があります。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2024年7月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。「水道管の耐震化方針に足りない点」「熱中症対策、具体的な2つを即時徹底せよ」もすぐ読めます
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