田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」

田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」

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まずは自己紹介をお願いできますか。

新聞社の相談役を務めながら、ランド研究所という、世界で一番大きくて、世界で一番たくさんのノーベル賞を受賞しているシンクタンクにおります。

2年前までは、参議院議員をしていました。無所属で当選して、自民党に入って、経済財政金融畑をやってきまして、政府の役職としては、安倍内閣で経済財政金融担当の政務官、麻生内閣では参議院議員の国土交通委員長をやってきました。金融経済に国土交通、インフラ整備とか、不動産対策ですね。ちょうどリーマンショックの時に、金融と国土交通委員長と、党の方では、財政金融の副部会長をやってましたんで、リーマンショック対策をデザインしたりとか、日本にある巨大な金融資産を活用して日本を元気にしようというような仕事をしていました。

田村耕太郎さん

ランド研究所というのは何をしているところなのですか?

第二次世界大戦の最中に、アメリカ空軍のお金でできた研究所なんですが、アメリカでも“知る人ぞ知る”という感じで、一般の人は知らないと思います。もともとは軍事的な研究が行われていたのですが、今では人口政策、医療、エネルギー政策といったものにテーマは変わってきています。

シンクタンクとしては世界で最大そして最強と言ってもいいでしょう。日本で科学系でノーベル賞を取った人数は15名ですが、ここにはその倍近い29名がいます。

アメリカにあるシンクタンクではあるんですけど、世界各国の政策立案を担っていまして、シンガポールですとか韓国、中国も政策立案を依頼してきています。

日本のシンクタンクとの違いは、実際に実行される政策しか立案しないというところです。自己満足にやたらといろんなことを発信するのではなくて、各国政府から依頼のあった仕事だけをやります。世界の政府ではその役割分担がはっきりしています。「政府は政策の実行部隊で、ランド研究所は政策立案を担う」と。

日本政府は両方をやっていますが、だから両方今一つなんだと思うんです。役所が実行に忙しくて、さらに国会対策に忙しすぎて政策立案にまで手が回らない。あとは、役所は移動が2年ごとにありますから、専門家がいないわけですね。例えば、金融の知識がないのに金融政策を立てている人がいっぱいいますし、医療の分野でもそうです。

しかしランド研究所は、金融なら金融、医療なら医療、軍事なら軍事という専門の人間がその分野の中でずっと働き続けているので、蓄積があるわけです。

集まってくる人間も優秀です。全世界のほかのシンクタンクでは満足できない人たちが入ってきます。理由を聞くと、「選挙に出ないで国を変えられるからだ」と。エリートは選挙が嫌いなんですよ。有権者におもねったり、大金を使わなくても、各国の政策を担っているランド研究所に来れば、国も世界も変えられる可能性があるということで、優秀な人材が集まってくるわけです。

ちなみにインターネットもここから生まれたんですよ。

田村さんが今いちばん気にしているテーマはなんですか?

いろいろあるんですけど、教育問題ですかね。経済とか外交ももちろん大事なんですが、そういう分野を担う人を生み出すのも教育ですし。日本がこんなにおかしなことになってしまっている原因を突き詰めると、教育にあるんじゃないかなと。

例えばアメリカだと、リーダー養成の教育とそれ以外の人たちへの教育というのがあって、両者はぜんぜん違います。つまりアメリカは、リーダーが出てくるような教育をしているんですよね。これは日本にはないし、それをするのも無理です。まず教える人がいない。だからそういう教育を自分の子どもなりに受けさせたかったら、アメリカに行かすしかないですね。行かせたほうがいいですよ、英語で学んだほうがいいし。

ヨーロッパなんかでは特にそうなんですけど、リーダーとそうじゃない人って、明確に分かれてるわけですよね。でもそれをひがんだりということはないんです。役割の差だってことがよくわかってますから。リーダーだけが偉いわけでも何でもなくて、誰だってヒーローなんです。だからリーダーにならない人は職業訓練みたいなことを受けて、堅く手に職をつけて、社会で活躍するんですよ。日本みたいな悪平等のどっちつかずの教育をしているとリーダーも育たないし、職業プロフェッショナルも育たない。中途半端なホワイトカラーというこれからますます役に立たない人が増えるだけです。

日本は、建前上の「みんな平等」思想があるからリーダーが出ないと思うのです。みんなゆるく同じような教育を受けてますよね。文学とか、経済とか、法律とか。その結果、皆が”使えない人材”になっていきます。世界では、リーダー候補生は徹底した英才教育(詰め込み教育・スポーツ・ボランティア等の課外活動)を受けています。誰よりも忙しく厳しく鍛えられています。それ以外の人は、中途半端なマクロ経済学とかやらなくていいんです。それよりも、プログラミングとか介護とか栄養学とか、これから世の中に必要になってくるテクニックを徹底的に学んでいます。そのほうが世の中の役に立って確実に食いっぱぐれないわけです。

本来はそういうことをやっていかなきゃいけないんだけど、建前として「みんな平等」ですから。だからこんなことになっちゃうし、こんなことずっと続けているうちに、日本にはリーダーを鍛えられる学校はないし、教えるリーダーもいません。職業訓練みたいなことも教えられる教員もこのままだろいなくなっちゃうというわけですね。

政治家だってそうなんですよ。多くの人が、「自分は総理大臣になれる」と思っちゃってる。でも考えてみてほしいです。この歴史ある一億二千万の国家を率いるだけの、知力と体力とリーダーシップを鍛えてきた人間がどれだけいるのか?政治としてのコンテンツが足らないから、政治主導もできないし、政策より政局となるわけですよ。

でも、例えばイギリスの政界なんかははっきり進路が別れてますからね。政府の中での出世コースとそれ以外のいわゆる陣笠コースと。“それ以外”にいる議員というのは、別に総理になるのが目標というわけじゃなくて、自分の選挙区のためにとことん働くとか、自分のテーマをコツコツやっていこうとか、そういうふうに考えて行動している。なんていうんだろう、皆プライドがあって分をわきまえているというか。ひがみではなく自然に「総理になるのだけが政治家として意味あることではない」と思っています。

もうひとつ、日本の政治家初めリーダー層には教養がないんです。日本の政治家が好きな作家といえば司馬遼太郎はじめとする痛快歴史小説が多いんですよ。でも、彼らの作品って純粋に科学的な読み物じゃないんですよね。著者が好きな人をヒーローにしてしまって書いてる。小説としては優れていますけど、世の中を切り開くリーダーが好んで読むものでしょうか?私も司馬遼太郎が好きですが、たとえば「竜馬が行く」や「坂の上の雲」を英訳して、広く読まれるかどうか?“英雄待望論”では科学とはいえません。ヒーローが歴史を作るのではなく、無数の人々が作ってきたわけですから。薩長同盟だけで明治維新ができたわけじゃないんですよ。

欧米の政治家は、マキャベリとかツキジデスとかヘロドトスとか、ヒーローが出てこない歴史、史実をきちんと読み込んでいます。そういうことをやってる人たちと、司馬遼太郎を読んでる人たちじゃ、話が合わなくて当然です。

そもそも日本のリーダー層と世界のリーダー層は読んでいる本の質と量が違って教養に大きな差があるんですよね。宗教とか哲学とか本格的に古典を読み込んでいるリーダーは日本にいないでしょ。欧米ではそれに加えて、科学とか経済学とか、ほとんどのリーダーは古典をしっかり読み込んできていますから。

田村耕太郎さん

本といえば、先日田村さんが出された『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』が若い世代を中心に人気を集めていますが。

あの本は若い人たちに「救命ボート」を用意する気持ちで書きました。これからの20年、30年で世界は信じられないくらいのスピードと方向と規模で変わっていくと思います。テクノロジーで世界が繋がり、あらゆる分野でグローバル化が加速していきます。それによっていいことがいっぱいあると思います。世界はさらに便利で刺激に満ちたところになると思います。反面、日本の教育の被害者になっている今の若者たちには厳しい世界になってきます。

「もっと世界に出て世界の変化とダイナミックさを見てきてくれ」「もっと勉強して教養をつけてくれ」との思いです。世界の同世代は猛烈に勉強しています。必死で働いています。日本の中の緩さと情報のずれが潜在力ある日本の若者を不幸にしてしまう可能性があります。中身はけっこう厳しいことが書いてありますが、これからの社会はもっと厳しいと思います。

この本のおかげで、学生や若手の社会人の中の意識の高い人が、一緒に勉強会やりたいとかっていってきてくれるようになりました。海外展開を考えたい、なんて言ってくる人もいて、面白いですよ。

ぼくは常々、学生や若手の社会人はもちろん、中高生とかその親御さんなんかと交流する機会を持ちたいと思ってきました。親の意識が国内思考というか、東大を頂点とする偏差値重視思考だと、これからの世界、親じゃなくて子どもが苦労するからです。

例えば、進学する学部を選ぶときだって、今のままだと子どもはどうしても「入れる偏差値のところに行く」となってしまいます。そうじゃなくて、「これからの世界はこうなるから、こういう準備をするためにこの学部に行くんだ」というのが理想ですが、こういう発想を子どもだけに求めるのは無理。そう考えられるように、親が導いてあげないと。でも今は、「偏差値がこうだからここへ行け」と親のほうがしてしまっています。そういうのは非常にまずいな、なんとかしなければ、と。

この本もそうですが、そういう方と交流できる場にできるんじゃないかということで、メルマガを始めたという面もあります。ツイッターやフェイスブックでもいいんですけど、やっぱりお金をいただく以上はそれなりものを書きますし、それを読んだ上で交流できるコミュニティができればと思って。対価を払って得るものには人はより真摯になると思うんです。

内容としては、世界で起こっていることとか、日本の重要な政治の部分で起こっているようなこととか、そういうのをわかりやすく伝えていきたいですね。自分の活動を支えてくれた恩返しっていうか。足で稼いだ情報なんかを返していきたいと思いますね。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

出来る限り、読者のみなさんが、激変する世界に素早く的確な準備するために役立つ情報と分析を提供していきたいと思っています。未来に備えるには必読のメルマガだと自負しています。

世界で起こっているワクワクするようなことをダイナミックに紹介していきます。世界に出ていますので、どちらにも偏らない立場で書いていきたいと思っています。単純に日本を批判するとか、今起こっていることを批判するっていうよりも、なんでこうなっているのかということを一緒に考えていければ、というふうに思っています。

また自分の留学や海外体験も赤裸々に書いていきます。一人でも海外や留学に興味を持って一歩を踏み出してくれたら最高にうれしいです!

あとは、こちらから一方的に情報を流すのではなく、みなさんから質問を受けたり、ご意見をいただいたり、もちろん反論などもあれば、歓迎してやり取りさせていきたいですね。

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田村耕太郎さんプロフィール

前参議院議員。当選二回(鳥取県選出)。鳥取県生まれ。大学院卒業後、山一證券、新日本海新聞社、大阪日日新聞社を経て2002年に政界入り。趣味はキックボクシング、ラテンダンス。

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