藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」

藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」

  • 恋愛市場で一人勝ちする恋愛工学が学べる
  • 安くて美味しくて雰囲気の良いお店紹介が読める
  • 直接メールでメッセージや質問を送れる
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藤沢さんといえば超人気ブログ『金融日記』の管理人さんとして知られていますが、ブログを始めたきっかけを教えてください。

2004年ぐらいですけど、ライブドアがブログサービスを開始して大々的にマーケティングしていましたよね。当時、ホリエモンこと堀江貴文さんが社長ブログなんかを書いていたんですけど、それで僕もブログでも書いてみようかなと思って始めました。そしたらいろいろな読者がコメントを書いてくれるようになって、だんだん面白くなってきて、定期的に書くようになりました。

あと、僕自身、サイエンスの出身で、金融機関に就職してから金融や経済の勉強を始めたんですが、当然ですが、最初はちんぷんかんぷんでぜんぜん分からないんですよ。それで勉強したことを、忘れないようにブログに書き始めたんです。じっさいにブログに書くことによって自分の理解もどんどん深まりました。「ブログ勉強法」ですね(笑)。そしたら、また読者が増えたんですよ。僕もブログを書くのが面白かったし、読者は増えるし、さらにたくさんのフィードバックがあっていろんな議論ができる。だから、次はもっと深いことを書こう、という感じでいい循環ができてきました。

もう8年もブログを書いていますけど、仕事が忙しかったり、私生活でいろいろあって(笑)、数カ月ブログを書かなかった時期もあって、ひょっとしたらそこでブログは終わっていたかもしれないんですけど、そういうときに限って堀江さんがご自身のブログで、僕のブログ「金融日記」を取り上げてくれたりして、それでまた急にアクセスが増えたりしたんです。堀江さんまで読んでくれてるならやっぱり続けようかな、なんて思ったりして今にいたっています。

堀江さんっていろんな人に影響を与えてますよね、良い意味でも悪い意味でも(笑)。僕がメルマガを始めたのも、よく考えたら堀江さんの影響だし(笑)。

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メルマガを始めたのは堀江さんの影響なんですね。

あとは最新刊の『外資系金融の終わり』にも書きましたけど、こんなことここで話していいのかどうかわからないんですけど、ちょっと金融業界でサラリーマンであることのうまみが減ってきていて、まあ、それでも他の業界に比べてまだまだ美味しいことには変わりないんですが、僕もそろそろ独立に向けてなんかしようかな、と思い始めていました。トレーディングはとても好きなので、どういう組織に所属してやるのか、あるいは個人でやるのか、そのやり方はこれから将来いろいろ変わっていくかもしれませんが、僕自身はトレーディングを一生続けていくと思います。そして、僕は文章を書くのもとても好きで、文筆業も一生やっていこうと決めています。だから、僕は仕事としては、トレーディングと文筆業のふたつはとにかく一生続けていくと思います。メルマガの発行は何度かお誘いを頂いていて、お断りしていたのですが、僕の将来のビジョンをいろいろ考えると、そろそろはじめる時が来たかな、と。

メルマガをやりはじめたら、これもブログと同じで読者もどんどん増えてきて、読者からいろいろなフィードバックが来るようになった。それもすごく面白い質問や相談、感想などがたくさん来るようになりました。なかには自らが打ち立てた恋愛理論を投稿してくれる読者もいます。それで読者と深く議論ができたりして、お互いのインタラクションでコンテンツがどんどん面白くなっていく。そんないい循環ができて来ました。僕のメルマガは、僕ひとりで書いているのではなく、多くの読者の方々といっしょに共同して作っていく、そういうメルマガなんです。そうやって僕は読者に支えられているから、僕も少しでももっと読者に応えたいと思い、毎週メルマガを書いているんです。

藤沢さんはブログのほかにもツイッター、書籍などさまざまなメディアで活躍されていますが、メルマガはどういう位置付けになるのでしょうか。

今までブログとツイッターと、伝統的な紙の本で執筆活動を続けてきたのですが、メルマガというのは、そのどれとも違うメディアだということがだんだんとわかってきました。

新聞記者を辞めて独立した佐々木俊尚さんが言っていたと思うんですが、ブログというのは講演会で、ツイッターというのは立食パーティーの立ち話みたいなものなんですよね。紙の本は、読者はお金を払ってかなりの時間を読むのに使うわけだから、やっぱり中身が大切だと思うんです。著者より中身。自分の仕事や生活に必要な知識が得られると思うから、その本を買うわけです。

そこで、メルマガというのは、コアな読者に向けた手紙なのかなっていう気がしてますけど、それだけじゃないような気もします。ファンクラブという一面もあるけど、それだけでもない。紙の本のように、やっぱり実際に役立つ情報を求めている一面もあるし、ブログのコメント欄やツイッターみたいな著者や他の読者との議論という一面もある。Q&Aコーナーは読者に対するちょっとしたコンサルティングのように機能していたりもします。正直言うと、まだ、メルマガを一言で表す言葉は僕の中では見つかっていないんですけど、既存のどのメディアとも違った、すごく濃いクローズドなコミュニケーション・スペースがそこにあるのは確かなんです。なんと表現していいのか。う~ん。

では、その手紙のような、あるいは本のような、もしくはサロンのようなメルマガをどういったお気持ちで書かれているのですか?

ブログの方は誰もが読めるものだし、アクセス数もちょっとしたメディア並になっています。ちょっと、かっこいいことを言わせてもらうと、僕はブログを社会をちょっとでも良くしたい、という気持ちで書いているのです。本もそうですね。多くの人に、少しでも正しい知識を伝え、日本や世界の政治や経済に多少なりとも影響を与えたい、と思っています。『反原発の不都合な真実』は日本のエネルギー政策を正しい方向に戻すために書きました。最近では『外資系金融の終わり』を、世界の金融システムが少しでも普通に毎日生活する人々のためになるようなものになってほしい、という強い希望を込めて書きました。

でも、メルマガは限られた人しか読まないから、その読んでくれている人だけが得をすればいい、購読者の方だけが幸せになってほしい、と願って書いているのです。そこが非常に大きな違いです。

たとえばトレーディングで言うと、すごくいい儲かる方法が見つかったとして、でもそれをみんながやったら儲からなくなりますよね。だからそういうことはブログには書けない。でもメルマガは違います。僕のメルマガの読者だけが得をすればいいと思って書いているのが僕のメルマガなんですよ。儲かるトレーディング戦略といっしょで、美味しいレストランの席の数は限られていますし、ぶっちゃけた話、いい女の数もいい男の数も限られているわけで、僕のメルマガを読んでいる人たちに、ほんの少しでも競争優位を与えたいんです。ライバルを出し抜くね。恋愛市場がゼロサムゲームだというのは、大衆向けのメディアで語られることはあまりありませんが、冷酷な現実ですからね。だから、僕のメルマガを読んでいる人だけが幸せになるためにはどうすればいいか、ということを考えて書いているのです。

Q&Aコーナーもものすごく盛り上がっていますね。

あそこまで盛り上がるというのは、僕にとってはちょっとしたサプライズでしたね。僕のメルマガは要するに、恋愛とビジネス、もっといえば、セックスと金の話がテーマなんですが、恋愛の生々しい話があれだけの分量で毎週送られて来ると、僕のメルマガはちょっとした生きたデータベースとして、現代社会で実際に起こっていることを理解する、とても貴重な資料になりえるのです。もちろん、メルマガの書き手である僕も、読者も、そこに届けられる情報にはある種のバイアスがかかっている、ということには最大限の注意を払う必要があるわけですが。もちろん、メルマガというのはコンサルティング・サービスという一面もあるので、僕は購読者からの相談は、なるべく多く、誠心誠意答えようとしています。

メルマガのひとつのウリでもある恋愛工学なんですが、そもそもあれはどういうきっかけで始められたのですか?

これはじつは歴史がとても古いのです。生物学には、動物の行動を観察し、何らかの理論モデルで理解しようという動物行動学という分野があります。動物行動学の理論的なバックボーンが進化生物学なのですが、こういった生物学的な知見を、人間の男女の恋愛行動に応用しようという試みは以前から多数あって、僕は大学生の時にすごく勉強していたんですよ。でも、進化論なんか研究していても食っていけないと思って、もっと就職につながりそうな応用科学の分野を専門にした、という経緯があるんです。

生物学的なバックグラウンドで恋愛の話を書いている人は、僕以外にも何人かいて、確かに人間の恋愛もすごくよく説明できて面白いんです。人間も動物ですからね。そして、恋愛というのは良くも悪くも動物的な本能に突き動かされている。僕は学生時代に、この分野の研究者になって、人間の恋愛行動を本格的に研究しようと本気で思っていたほどです。じっさいには、さっき言ったように、就職に有利だという理由で、応用科学の分野に進み、そこで研究者をした後に、結局、金融機関に就職してしまったわけですが。

しかし、僕は金融機関に務めたり、実際に自分でさまざまな恋愛を経験してわかったことは、人間というのは、確かに他の動物と同じように本能で突き動かされているのですが、それ以上に、現代社会では法律や経済というのが、ものすごく強い影響を与えている。生物学系のバックグラウンドの人の恋愛論って、ビジネスとかお金とか法律の分野をよくわかっていないんです。僕の場合は生物学的なバックグラウンドにプラスして、法律や経済の知識を非常に高度な次元で融合しています。最近では、さらに心理学の知見を取り入れようと、いろいろと研究しているところです。

それに、恋愛って結局は確率論なんですよ。狙った女を落とす、狙った男と結婚する、こういうのは映画とか小説のなかの話であって、そういうことを謳う恋愛本は、所詮はファンタジーの世界です。恋愛ってそういうものではない。ある程度、自分で付き合いたい範囲の異性を決める。そういった異性の集団にどうアプローチし、どうやってそのうちのひとりをものにするか。当然、映画や小説ではないので、百発百中ということはない。どんな方法を使ってもね。上手く行くこともあればふられることもある。女の人だったら、セックスはしたのに、長い付き合いにならなかった、ということもあるし、そもそも目当ての男が誘ってくれなくてセックスもできなかった、ということもある。でも、失敗の数を減らす、失敗した時のダメージをコントロールすることはできる。そして、成功する確率を高めることもできるし、成功したときにより多くの果実を手にすることもできる。いかにリスクをコントロールし、損失を最小化し、狙った獲物を得る確率を高めていけるか。あるいは狙った異性に自分を狙わせるか。要するに、恋愛というのはリスク・マネジメントそのものなのです。だから、こういった確率的な事象を取り扱う学問分野である金融工学のアプローチが非常に重要になってくるのです。

僕の恋愛工学というのは、生物学、経済学、法学、心理学の知識をベースに、それらを確率を扱う学問である金融工学のフレームワークを使って統合しているわけです。恋愛工学というのは、最近ポンッと出てきたものじゃなく、10年、20年の地道な研究活動の結晶であり、まだまだこれから発展していくべき学際分野なのです。僕は、この分野である程度の理論を確立し、世界の優秀な頭脳を集めていくような、ひとつの学問に育て上げていきたい、と思っています。たとえば、恋愛工学は、先進国の少子化問題、世界の食糧危機、終わりなき貧困問題、などに光を照らすことができると僕は信じています。

もちろん、学問としての恋愛工学を発展させ、世界の諸問題を解決していきたいという思いがあって、僕はそのための努力は惜しまないつもりですが、一方で、すでに言ったように、恋愛市場というのはゼロサムゲーム的な残酷な一面もある。だから、そういったゼロサムゲームでの戦い方についてのノウハウは公表せずに、週刊金融日記の購読者だけで共有していこうと思っています。

だから恋愛工学にあれだけ深みがあるんですね。では最後に、読者にメッセージをお願いします。

月に800円プラス消費税を払ってもらっているのだから、絶対にそれ以上のバリューを提供しなきゃいけないと思っています。プロとしてね。単純に文字数単価だけでいえば、すでに新書と同じくらいだから、この一番低いハードルは越えていると思います。エンターテイメントとしての読み物としての価格ですね。その上で、僕のメルマガを読んで、たとえばいきつけのいいお店ができて、そこでデートしてうまくいったり、素敵な恋人ができたりしたら、この価格をはるかに超える価値があると思うのですよ。週刊金融日記が提供する情報で、ひとりでも多くの読者が幸せになってほしい。僕はただそのことにコミットしているのです。

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藤沢数希さんプロフィール

理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。ツイッターのフォロワー数は7万人を超える。
主な著書:
『なぜ投資のプロはサルに負けるのか』(ダイヤモンド社、2006年)
『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(ダイヤモンド社、2011年)
『反原発の不都合な真実』(新潮社、2012年)
『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社、2012年)。

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