週刊 Life is beautiful

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中島さんは現在シアトルにお住まいということですが、日本の読者の方に、どのような方なのか自己紹介をお願いできますか?

本質的な部分で言えば、「科学とパソコンが大好きな少年がそのまま大人になった」ような人物だと思っていただければ良いと思います。

パソコンの黎明期にプログラミングを覚え、それ以来色々と面白いプロジェクトに関わって来ました。世界初のパソコン用CADであるCANDYだとか、全ソースがわずか雑誌の2ページ見開きの半分におさまるGame80コンパイラーだとかです。

1989年に米国に移住し、Microsoft本社でWindows95やInternet Explorerのアーキテクトをしました。2000年に独立して、UIEvolution Inc.というモバイルソフトの会社を起業し、投資家からの資金調達、買収、MBOなどの経験をしました。UIEvolutionにはファウンダーというタイトルでまだ籍は置いていますが、最近は個人としての活動に重点を置いています。iPhone/iPadアプリの開発とか、ブログ・書籍の執筆だとかです。

アメリカにエンジニアとして渡って一番驚いたことはなんですか?

色々とありますが、とにかく会社が「優秀なエンジニアをどう集めるか」「集めた優秀なエンジニアの開発効率を最大限にするには何をするべきか」に最大限の注意を払っていることに驚きました。それはすなわち「優秀なエンジニア」「生産効率の高いエンジニア」はとても大切にされるということです。そんな環境に自分を置くことができたからこそ成長できたと思っています。

アメリカと日本で、いま温度差を一番感じるのはどんな部分ですか?

アメリカの強さは、やはり「いつかは大成功してやろう」とアメリカン・ドリームを追い求める人たちのハングリー精神です。景気が良くても悪くても、そんな人たちはたくさんいます。

日本にもそんな人たちはいますが、ごくわずかです。多くの若い人たちの才能が、大企業を頂点に置いたピラミット型の産業システムの中で埋もれてしまっているように思えます。

今、日本人にとって一番必要なことはなんでしょうか?

一人一人がもっとハングリーになり、今の日本の閉塞感をぶちこわして新しい価値を生み出す役目を果たすのは自分自身だ、と認識することだと思います。

高度成長期の成功パターンが、企業にとっても個人にとってもだんだん意味がないものになりつつあります。大学三年になったら就職活動を始め、大企業の正社員になれればそれにしがみつき、そうでなければフリーター、ではあまりにも選択枝が狭すぎます。

今回、メルマガを出されたきっかけはなんですか?

中島聡さん

Microsoft時代の知り合いに勧められたというのが直接のきっかけですが、メルマガというある意味で「枯れた」メディアが少しずつビジネスとして成功しつつある、という話は聞いていたので、やってみることにしました。

ブログは2004年ごろから書いていますが、どうしても一方通行になりがちだし、トピックによっては炎上をしたりもするので、別の形でのコミュニケーションの方法を求めていたというのはあります。

電子書籍を出して欲しいというオファーをたくさん受けたと聞いておりますが、電子書籍とメルマガの違いはなんでしょうか?

現段階で出版社から来る電子書籍の話は、基本的にすべてが紙の書籍を電子化しただけもので、そこにはデジタル・コンテンツならではの良さもなければ、ネットも活用できていない。結局、ひとまとめの原稿を書いて、それを編集・出版するだけのことです。

その点、メルマガはよりリアルタイムな情報を届けることもできるし、読者とのコミュニケーションも成立するという意味で、より電子書籍らしい電子書籍とも言えるんではないでしょうか。

マイクロソフト時代の面白い裏話などはありますか?

いろいろとあります。たとえば、Windows95には社内にライバルとなるCairoというプロジェクトがあったんですが、そのプロジェクトとの戦いはなかなか壮絶でした。

そんなお話もメルマガで読めるのですか?

そう言われたら書くしかないですね(笑)。Microsoft社内で起こったことなので、あまりブログに書いたりするのは良くないかなと思って遠慮してきましたが、そろそろ時効だし、書いても良い時期かも知れませんね。

先日、菅総理大臣にお会いしたそうですが、そのことについてもメルマガにお書きいただけるとか。

その予定です。原発事故の話だとか、日本の官僚機構の話だとか、質問もあったし訴えたい事もあったので、色々と話しました。菅首相は「いかにも代議士」というオーラは出していなくて、とても気さくな人でしたよ。

今、メルマガを通じて、読者に一番伝えたいことはなんでしょうか?

中島聡さん

なんだか難しい質問ですが、あえて言えば「世の中には色々な生き方があって、もっと自由に生きていいんだ」ということですかね。子供の頃から塾に通わされて、レールにはまった人生を親や社会に強制されて来た日本人は、そのレールの先に必ずしも幸せがないことに気がついて悩んでいるんだと思います。そういう人たちが、それぞれの価値観を持って、もっと自由に生きることが出来るようになれば、日本ももっと良い国になると思います。

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中島聡さんプロフィール

1960年、東京生まれ、早稲田大学大学院理工学研究科卒業。UIEvolution Inc.のファウンダー。 マイクロソフトでWindows95、Windows98、Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。現在シアトル在住。

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