なお、年金の離婚時分割をしたい場合は一体どのくらいの年金額になるのか、どのくらいの期間の年金記録を分割するのか等の必要な情報が分からないので、まずは年金事務所に情報提供請求(これは年金額を変更してもらう請求ではない)を行います。50歳以上で既に年金受給資格期間を満たしている人は見込み額も知る事が出来ます。
情報提供請求は離婚前でも構いません。自分の基礎年金番号のわかるものと戸籍謄本を持っていけば情報提供通知書で通知してもらえます。自分一人で情報提供請求した場合は、自分一人に郵送または窓口での交付になります。離婚後の場合は元配偶者にも通知されます。
以上は年金の合意分割でしたが、もう一つは年金の3号分割。これは記事の冒頭に書いたように平成20年4月以降に配偶者の扶養に入って第3号被保険者となっている場合は、元配偶者の合意無く一方的に年金事務所に分割請求して厚生年金記録を2分の1(50%)に分割します。
例えば夫が平成20年4月から平成29年6月まで厚生年金に加入していて、その間妻が夫の扶養に入って第3号被保険者だった場合は、離婚後に妻が一方的に3号分割を請求して厚生年金記録を分割する制度です。
夫の平成20年4月から平成29年6月までの老齢厚生年金を仮に40万円とすれば、その半分の20万円を強制的に妻に分割するわけです。これにより、元夫婦両者とも老齢厚生年金が20万円になる。
というわけで、年金の離婚時分割はあくまで婚姻から離婚までの厚生年金や共済組合の納付記録を分けるものなので、期待してたほど年金額は増えない事もよくあります(^^;;
あと、離婚した後に話を進めると離婚分割請求の原則2年のリミットもありますし、標準報酬改定請求月の翌月から年金額が変更になる(年金受給者の場合)ので按分割合等の話し合いは離婚前に話を終わらせておいたほうがいいですね。
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