生命保険の掛け金がバカバカしくなる「公的遺族年金」の凄い実力

 

じゃあここからの妻への遺族厚生年金は554,951円だけかというと、そうではなくて中高齢寡婦加算という加算金584,500円が付く。よって、65歳までは

  • 遺族厚生年金554,951円+中高齢寡婦加算584,500円=1,139,451円(月額94,954円)

で、最後に妻の65歳以降の年金額を算出。まず、65歳になると中高齢寡婦加算584,500円が消えて、今度は妻の老齢基礎年金の支給が始まる。

  • 老齢基礎年金額→779,300円÷480ヶ月×(国民年金保険料納付済403ヶ月+全額免除期間77ヶ月÷3)=779,300円÷480ヶ月×428.666ヶ月=695,957円

よって、65歳以降の年金総額は

  • 遺族厚生年金554,951円+老齢基礎年金695,957円=1,250,908円月額104,242円

となる。まあ…この妻が43歳から仮に90歳で亡くなるとしたら、遺族年金支給総額はザックリと65歳までは平均120万円とすれば、120万円×22年=2,640万円。65歳から遺族年金は55万円に減りますが、55万円×25年(65歳から90歳)=1,375万円。生涯で4,000万円の遺族年金を貰う事になりますね。ちなみに遺族年金の収入には税金はかからない。よって生命保険等の民間保険に入ってる、または、これから入る人は無駄に民間保険料を支払っていないか見直すのが大事ですね^_^。

※追記

この妻は77ヶ月国民年金保険料を全額免除しているため、老齢基礎年金額が少なくなっていますよね。一応、この妻の場合は60歳から65歳までの60ヶ月国民年金に任意加入が出来るので(最大でも480ヶ月になるまで)、もし老齢基礎年金を増やしたい場合は国民年金に任意加入するといいです。

60ヶ月国民年金保険料を納めた場合は、老齢基礎年金額は760,898円←(779,300円÷480ヶ月×463ヶ月+17ヶ月÷3)に増額する。

※注意

77ヶ月分の全額免除期間は任意加入60ヶ月分が押し出されて17ヶ月になる。

なお、国民年金保険料を支払ってる間は市役所に申し込んで付加年金保険料(月400円)も支払う事で更に年金を増やせる。ただし、厚生年金加入中や国民年金第3号被保険者、国民年金基金に加入してる人は付加年金加入不可。付加年金は200円×月数。60ヶ月付加保険料納めたら200円×60ヶ月=12,000円(年額)になる。

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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