【FX・為替相場展望】日銀が政策金利を据え置き―株高・円安の再加速鮮明に［外国為替編集部］

米国発の関税不安が後退、相場の緊張感に変化

「トランプ関税ショック」以降、国際金融市場は米国の通商政策に過剰に反応する局面が続いていましたが、4月下旬以降、その影響は次第に和らぎ始めています。特に、各国の株式市場における反応は限定的となりつつあります。

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VIX（恐怖指数）は依然として注視される水準にあるものの、60を超えた直後から徐々に下落し、25前後で推移していた水準を割り込みつつあります。リスク回避姿勢の後退を示唆する兆候と見られます。

日銀の政策維持が市場に安定感をもたらす

2025年5月1日（木）午後、ゴールデンウィーク期間中に開催された日本銀行の金融政策決定会合では、市場予想通りに政策金利の現状維持が決定されました。発表直後、市場は一時的に静観ムードとなったものの、東京市場では徐々に動意付き、株価の上昇と円安が進行する結果となりました。

政策変更への期待や警戒感が一部にあったことを踏まえると、「変更なし」という発表は、投資家心理に安心感を与えたと考えられます。結果として、日銀が当面の間、積極的な引き締めには踏み切らないとの見通しが再確認され、日米金利差を背景に円売りが再燃しています。

円売り優勢、為替市場は円主導で動く

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通貨の相対的な強さを比較した「通貨強弱チャート」を見ると、発表後24時間で円の売り圧力が顕著であり、ドル・ユーロ・ポンドはいずれも限定的な上昇にとどまっています。この流れから、円が主導する形での円安トレンドが再び勢いを増したことが読み取れます。

ドル円は上下動を経て再び145円台へ

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ドル円の4時間足チャートによると、発表当日は142.96円台から145.90円台まで一気に上昇。その後、短期的に143.70円近辺まで円高に戻る動きが見られましたが、米雇用統計の発表後には再び145円台を回復して取引を終えています。

為替市場が乱高下する中で、日経平均株価は着実な上昇を見せており、「トランプショック」以前の水準を完全に回復したと見てよいでしょう。今後は38,000円台を突破し、大台達成に向けた動きが焦点となります。

週明け以降の注目イベント：米国FOMCに注視

ゴールデンウィーク明けの5月第2週には、複数の重要経済指標と金融政策イベントが予定されています。特に、5月7日（水）深夜に発表されるFOMC（米連邦公開市場委員会）とパウエルFRB議長の会見には注目が集まっています。

現時点では、「CME FedWatchツール」によると、政策金利は据え置きが96％の確率で予想されています。日本と同様、市場コンセンサス通りの決定が見込まれるものの、実際の声明文や会見内容を受けて相場が大きく動く可能性も想定されます。

今週の経済スケジュール（日本時間）

• 5月5日（月）：英・日・中が祝日、23:00 米ISM非製造業景況指数
• 5月6日（火）：日本休場、21:30 米貿易収支
• 5月7日（水）：27:00 FOMC声明発表、27:30 パウエルFRB議長会見
• 5月8日（木）：20:00 英政策金利発表、21:30 米新規失業保険申請件数

今週も引き続き、市場の動向を慎重に見極めながら、取引に臨みましょう。

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