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ウイルテック Research Memo(7):事業環境が不透明感を増すなか、2027年3月期も高水準の収益維持の見通し

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■ウイルテック<7087>の今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比3.9%増の47,740百万円、営業利益で同1.5%増の1,350百万円、経常利益で同3.0%減の1,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.8%増の923百万円と経常利益を除き増収増益の見通しである。経常減益の要因は前期に計上した新工場建設に伴う助成金収入80百万円が剥落し、助成金収入が前期比で65百万円程度減少する影響が大きく、一過性のものである。

2027年3月期の事業環境としては、製造業におけるAI関連の半導体需要や、建設業におけるインフラ更新等の底堅い需要、IT業界におけるDX・AI実装などのシステム開発需要を背景として、堅調な人材需要が継続することが想定される。中東情勢の混乱が長引けば、人財系フィールドの技術者派遣事業及び製造請負・派遣事業の需要にも影響が及ぶ懸念はあるが、現時点で収益予想に織り込むのは時期尚早と弊社では考えている。従って、堅調な人材需要が継続する想定の下、人財系フィールドの収益が底堅く推移するシナリオを描くことに特段違和感はない。同社では、コスト増の要因として、人的資本への集中投資(定着率アップのためのキャリアアッププログラムや福利厚生の充実)、新工場の通期稼働に伴うコスト増、AI活用やシステム投資を含む管理体制高度化の費用などを見込むほか、中東情勢緊迫化の影響を現時点で把握できる範囲で見込んでいる。中東情勢緊迫化の影響には留意が必要だが、人財系フィールドの堅調な需要を背景として、技術者派遣事業及び製造請負・派遣事業の契約単価見直しを含めた増収効果により、高水準の収益を維持する見通しである。

2. EMS事業の取り組み
EMS事業においては、生産効率向上や多品種化を図るため、新工場(須賀川工場)が2025年6月に竣工して稼働を開始した。当面はコスト負担が先行する見込みだが、大口案件を含む新規受注獲得が順調に進み、稼働率も向上しているようだ。また、同事業においては、ホタルクスのグループ化によるシナジーを追求する観点から、デバイス販売テクノとホタルクスの協業体制を構築し、EMSのソリューション提案を進めている。こうした施策による収益力向上にも注目したい。

■中長期の成長戦略

2035年3月期に売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE15%以上を目指す

1. グループ長期ビジョン「FUTURE VISION 2035」
同社はグループ長期ビジョン「FUTURE VISION 2035」(2026年3月期~2035年3月期)を2025年8月に公表した。事業の効率性を高めながら、今後のさらなる成長に向けた事業モデルの分散化を進め、幅広い市場ニーズを獲得し、多面的な事業成長を図る期間と位置付け、数値目標は2035年3月期の売上高1,000億円、経常利益50億円、ROE15%以上としている。また、企業構造改革を進める中で、ビジョン達成に向けた事業コンセプトとして「Re-Design(リ-デザイン)」を掲げている。これは、既存の製品やサービス、人が持つ技術などの機能や価値を見直し、改善し、組み合わせて、構築するプロセスを意味しており、変化する環境に適応しつつ、新たな価値サービスの創出を目指している。

2. 事業ポートフォリオの見直し
同ビジョンを達成すべく、継続的な企業成長及び企業価値向上に向けて事業ポートフォリオの見直しを進めている。人財系フィールドの製造請負・派遣事業及び技術者派遣事業については、請負事業や開発受託の強化等を通じたオーガニック成長により、キャッシュ創出の源泉となる安定基盤と位置付けている。一方、モノ・コトづくりフィールドのEMS事業と社会サポート事業については、次なる成長エンジンと見据えて、M&Aによる事業拡充も視野に入れている。M&Aのターゲット分野としては、主にEMSを中心とするモノづくり、教育関連、アフターサービスを想定しており、社会サポート事業を将来の第4の柱へ育成することを目指している。

社会サポート事業のうち、社会インフラ分野では、家庭用蓄電池の保守メンテナンスのほか、製造現場・物流現場でのロボット活用の提案、ロボット導入から保守にいたるカスタマーサービスなど、将来の成長余地が大きい事業分野にも積極的に取り組んでいる。長期ビジョンの収益目標の達成に向けては、人財系フィールドのオーガニック成長に加えて、モノ・コトづくりフィールドが成長をけん引する必要があり、今後の成長に道筋をつけることが課題となると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
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