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平山 Research Memo(8):2027年6月期は成長投資により営業減益見込みだが上振れ余地あり(2)

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■平山ホールディングス<7781>の今後の見通し

1. 2027年6月期の業績見通しの続き
(2) 技術者派遣事業
技術者派遣事業の売上高は前期比53.1%増の4,859百万円、営業利益は221百万円の損失(前期は82百万円の利益)を見込んでいる。事業規模拡大に向けて積極的な人材投資を実施することが損失要因となる。継続的な既存領域の技術者ニーズに対応しつつ、DXの加速を背景にAIを使えるフォワードデプロイドエンジニア(FDE)の拡大を図る。既存技術者を対象に研修を実施し、高スキル技術者として育成するほか、ベテラン技術者の採用を強化し、IT領域で新分野の顧客獲得を進めていく。

採用計画は、新卒採用で195名(前期79名)、中途採用で173名(同73名)と大幅増員を目指している。新卒採用に関しては、採用担当者を増員するなど体制を強化していく。中途採用については、2027年1月に平山が吸収合併することで採用チャネルや採用エリアが広がり、従来以上の増員が可能になると見られる。従来、トップエンジニアリングの採用は東名阪の4拠点しかなかったが、平山では北海道から沖縄まで40拠点超の事業所を展開しており、吸収合併することで採用力が一段と強化されるだけでなく、顧客の裾野も広がるものと考えられる。同社では前期末の在籍数556名を早期に1,500名まで拡大し、売上高100億円の達成を目指している。100億円以上の規模にまで事業規模が拡大すれば、収益性も安定する見通しだ。

そのほかにも合併によるシナジーとして、経営の意思決定・実行の迅速化による変革スピードの加速や間接部門統合による管理コストの削減、研修センター統合による育成体制の強化及びガバナンス体制の強化が見込まれる。なお、重複コスト見直しにより、トップエンジニアリングで計上していた販管費約7億円(2026年6月期実績)については、人材採用や研修費用など効率的に使用していく予定にしている。

なお、既存技術者の定着率向上のため、新たに評価制度を刷新した。具体的には、社員の能力(派遣単価)に連動した給与体系を導入することで、能力の高い人材の定着率が高まるような制度に見直した。定着率が高まれば採用費や教育研修費等のコスト低減にもつながるため、収益性向上要因となる。

(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比9.8%増の2,705百万円、営業利益で同26.3%減の42百万円と増収減益を見込んでいる。タイにおける派遣人数は2026年3月時点で前年同期比4.6%増と緩やかながらも回復基調となっており、堅調な需要が続いている自動二輪車や中国系EVメーカー向けを中心に増収が続く見通しだ。引き続き、収益重視のローコストオペレーションを継続し、黒字確保を優先して事業活動を進めていく方針だ。なお、為替前提レートは前期の4.88円/THBに対して4.20円/THBと円高を想定しているが、足元は4.7円/THB前後で推移しており、今後も同水準が続けば業績の上振れ要因となる。

(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比9.7%減の1,273百万円、営業利益は同38.7%減の260百万円と減収減益で計画している。前期までその他事業に含まれていた平和鉄工所が平山に吸収合併されたことで、インソーシング・派遣事業に移管となり、減収減益要因となる。同影響を除けば売上高は約31%増、営業利益は約28%減益と試算される。

コンサルティング事業では、生産拠点の国内回帰による工場立ち上げ支援コンサルティングや、AI/IoT技術を有するベンチャー企業と協業して、高付加価値型のソリューションを提供することで拡大を図っていく。また、フィジカルAIの製造現場での普及が見込まれているが、ロボットを最適制御するためのデータセットを収集するための業務についての需要拡大も見込まれており、技術者派遣事業などと連携して事業拡大を狙っている。

一方、外国人雇用管理サポート事業については、期末受託人数で前期末比386名増の1,917名を目標としている。国内における労働者人口の不足を補うため、政府が特定技能制度による外国人労働者の受け入れ枠を2024年度から従来比2.3倍の80万人超に拡大したほか、2027年度から主力市場の1つである自動車付属品製造業も新たに対象分野として追加されたことも追い風となる。一方、2027年度より技能実習制度が廃止となり、新たに育成就労制度※が開始されることによる業績への影響が不確定なことから、利益面では保守的に計画に織り込んだ。制度変更によるマイナス影響が出なければ、増収効果により増益となる可能性が高い。

※ 技能実習制度と育成就労制度の主な違いは、「制度目的」と「転籍(転職)ルール」にある。「制度目的」では技能実習制度が技能移転による国際貢献が目的であるのに対して、育成就労制度は日本における人手不足が深刻な分野における人材育成・確保が目的であり、特定技能への移行を前提とした制度である。このため、技能実習では転籍が原則不可であるのに対して、育成就労では同一業務区分内で一定の要件を満たしていれば可能である。なお、現在の技能実習生に関しては2027年4月以降も期間が満了するまで技能実習制度での運用が継続される。

なお、外国人の就労支援サービスを行う平山GSでは、2025年3月にインドネシア国立ディポネゴロ大学及びインドネシアの日本語学校と3者間で、「日本でエンジニアとして就労を希望する工学部学生向けの日本語講座の運営及び日本への受入に関する協定」を締結し、「INDONESIA-JAPAN ENGINEER PROJECT (IJEP)」を立ち上げた。日本での就労を希望する学生に対して、無償で日本語講座を開講し、エンジニア教育を施すことで、卒業後にスムーズな就労機会を提供するとともに、日本企業のグローバル化を支援していく。2026年6月期は同大学の既卒生を数名、日本に送り出した。2027年6月期以降は卒業生も送り出すことになっている。なお、2018年に協定を締結したミャンマーのマンダレー工科大学では年間、数十名の卒業生を日本に送り出している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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