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恵和 Research Memo(7):2026年12月期は下方修正。「海外」をキーに「車載」と「工程紙」の展開を積極化

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■今後の見通し

1. 2026年12月期の業績見通し
恵和<4251>主力のノートパソコン市場でのメモリー不足や、注力する車載向けでは自動車産業でのEV販売動向が不安定なことから、下期にも影響が続くと予想し、期初の業績予想を下方修正した。修正後予想は売上高20,877百万円(前期比2.0%増)、営業利益2,842百万円(同33.7%減)、経常利益2,968百万円(同30.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,055百万円(同9.4%減)となっている。期初予想との差異は、売上高10.1%減、営業利益35.5%減、経常利益32.7%減、親会社株主に帰属する当期純利益32.7%減である。中東情勢悪化を受けた売上原価の上昇を予想するほか、以下に挙げる成長投資となる3施策への研究開発費や人件費をはじめとする販管費、減価償却費を織り込み、各段階利益を大幅に縮小する見通しである。

同社は業績予想の下方修正を、2026年12月期以降の成長、ひいては中期経営計画達成に向けたマイルストーンと捉えている。質を追求する姿勢とオンスケジュールの徹底という基本指針に則り、解決すべき課題を明確化した。以下の3施策に注力する。

(1) 国際マーケティングの強化
特に「車載」での国際物流の地政学リスク回避策China+1対応として、ベトナムに物流、生産、加工拠点を開設する。マーケティング機能も備えており、ローカルマーケティングに対応する人材を増強してグローバルに多様なインサイトやニーズをキャッチし、ブランディングを強化して早い段階に収益化を目指す。欧米でも同じくマーケティング強化に向け、独フランクフルト、北米デトロイト拠点を開設し、活動を開始した。

(2) 高品質と生産能力の増強
製造現場が蓄積した膨大なデジタルデータ(温度や圧力、速度といったプロセスデータ、日々の原材料や設備の状態を示す数値)をAIにより分析、活用する。データと現場の相関関係を高度に解析することで、競争力の源泉となる、顧客志向をベースとした高品質と、エラーを回避した生産体制を構築し、高品質をオンスケジュールで顧客に届ける。これらを知的資産とし、持続的な成長を目指す。

(3) 新製品開発
フロントローディングで新製品開発を進める。2026年7月、EV関連で引き合いの多い「オプラム」に対応するためMVP(Minimum Viable Product)開発用のマシンを導入した。今後は同マシンを新製品プレゼンテーション用に各支店に配置する計画である。ほかにも、中長期的な視点となるが、従来の課題であるスクリーンのぎらつきや反射、指紋付着に対応する3Aフィルム※、PFASフリーをはじめとする環境適合型高機能フィルム製品「SUGORIA(スゴリア)」シリーズの展開を進める計画である。

※ Anti-Glare(ギラつき防止)、Anti-Reflection(反射防止)、Anti-Fingerprint(指紋防止)の3つの機能を備えたフィルム。

メモリー不足やEV市場減速など、外部環境の影響は避けられないものの、期初に計画した注力領域や施策について方向性に大きな変更はなく、修正後予想の達成を視野に入れ、「海外」をキーに特に「車載」「工程紙」に注力する。売上高について、光学製品事業では、上期に続きメモリー不足の影響を前提に「ノートパソコン・タブレット」で減収を見込むものの、「車載」に関しては堅調な「オパルス」と回復基調にある「オプラム」の需要を取り込み、収益に反映させる。機能製品事業では、原油価格上昇を背景に「防錆資材」等で見られた駆け込み需要の反動を織り込みつつ、成長期待の大きいウレタンフォーム用工程紙「A!Prog-UF」の海外強化により伸長を見込む。利益については、前述のとおり売上原価の上昇と成長投資を反映した結果、営業利益率は前期比7.3ポイント減の13.6%と低下するが、減益幅の抑制に向け、堅実に価格交渉や自動化等による生産性向上を進める。為替に関しては、2026年7月の日米協調介入をきっかけに9月から本格的に円高が加速しており、注視が必要だろう。なお、為替前提は、この円高基調を背景に、下期は157円/米ドル(上期実績157.1円/米ドル)に変更した。

2. セグメント別の業績見通し
(1) 光学製品事業
売上高は16,846百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は5,778百万円(同18.4%減)を予想する。売上高について、「ノートパソコン・タブレット」は、上期に続きメモリー不足の影響の継続を予想し前期比8.5%減の11,854百万円を見込むが、上期に収益貢献した既存製品でのシェアアップ施策を継続し、成長挽回を目指す。「車載」は同21.9%増の4,025百万円を計画し、堅調な既存機種での「オパルス」採用と、「オプラム」の回復基調の波に乗る。ほかにも、2025年12月期より展開を進める日米欧市場の高級車ハイパーディスプレイ向け「オパスキ」について、特に日欧市場に向けてはエネルギー高騰を背景とした日欧EV市場の回復傾向も後押しする見込みである。国内、海外拠点からの情報を基に市場動向を読み取り、適切なマーケティング施策へつなげていく。「モニター・他」は同90.9%増の966百万円を計画しており、上期の高機能機種での採用実績を基に、ハイパー液晶向けでの利益率の高い「オパスキ」の拡販を推進する。セグメント利益については、主軸のノートパソコン・タブレット向けの売上減速と、海外展開向け投資や為替、原油価格等に伴う原価上昇の影響から、セグメント利益率は34.3%(同8.0ポイント減)に低下する見通しである。

(2) 機能製品事業
売上高は4,030百万円(前期比8.7%増)、セグメント利益は403百万円(同36.6%増)を計画する。売上高について、「クリーンエネルギー部材・医療衛生」は前期比18.6%増の867百万円を見込む。クリーンエネルギー部材は既存顧客での製造再開を受けて軌道は回復しており、さらに水平展開により顧客開拓を進めている。在庫調整が長期化する医療衛生向けフィルムでは、他用途や新規顧客の開拓で復調を目指す。「工程紙」は同34.7%増の625百万円を計画し、ウレタンフォーム用工程紙「A!Prog-UF」で東南アジアから欧州、豪州と市場開拓を進め、海外売上を拡大する見通しである。「建材」は、資材高や人手不足を背景とした住宅市場の縮小により同11.2%減の592百万円と減収を予想するが、「防錆資材」(同6.3%増の1,624百万円)と「農業資材・他」(同1.5%増の320百万円)では安定した収益を見込む。セグメント利益には、回復基調のクリーンエネルギー部材や海外展開の進むウレタンフォーム用工程紙の増収が寄与する。なお、セグメント利益率は10.0%(同2.0ポイント増)となる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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