人生の分岐点である40代前後から起こる、心の危機的状況のことを指す“ミッドライフ・クライシス”。最近、日本でもよく耳にするようになりました。これが原因なのか、これに当てはまる年齢の人は幸福度が低いというデータが英国で発表されています。一方で、「ミッドライフ・クライシスなんて神話だ」と唱える研究者も登場し、様々な反応がでているようです。
人生の中で最もアンハッピーなのは、40代、50代?
日本語では “中年の危機”を意味するミッドライフ・クライシス(Midlife-Crisis)。
一言で表すと「中年期の思春期」で、40歳以降に起こる心の危機的状況のことを言います。
具体的にどのような心の動きがあるかというと、「俺の人生これでいいのか?」、「こんな人生が幸せなのか?」など、一般的には人生に対する不安や焦りが出ることです。
欧米では昔から認知されてきた現象で、よくドラマや映画のネタにもされたりしています。ちなみに海外では中年の人たちがスポーツカーを買って乗り回したり、突然タトゥーを入れたりすると、「あの人ミッドライフ・クライシスじゃないの?」と言われたりします。
最近では、あの俳優ベン・アフレックもミッドライフ・クライシスに陥っているようで、背中一面に入れた大きなフェニックスのタトゥーが話題になっていました。
その他にも、急に肉体を鍛えたり、髪型を変えたり、若い女性と不倫に走ったりするなどの急激な変化が起こると、その対象に当てはまるようです。
英ガーディアンによると、「40-59歳の人よりも、他の年代のほうが幸福度と満足度が高い」とミッドライフ・クライシスの年代の人たちの幸福度が低いことを報じています。
これは英国国民統計局が2012年~2015年の3年間にわたり、イギリスの30万人を対象に個人の幸福度のデータを分析して、それをもとに報告したもの。
この年代には子育てや親の介護、離婚、死別、金銭問題など、様々な問題が増えることが背景にあるようです。
メンタルヘルス・チャリティー「Mind」の広報レイチェル・ボイド氏は「日常生活の様々なステージを通じて、私たちは困難に直面しています。特にミドルエイジの人々にとっては難しい時期。年配の家族や子供を同時に世話する責任があり、死別や離婚など、他の家族の問題も対処しなればいけないことがでてくる」と、その要因と話しています。
ちなみに最も幸福度が高い年代は70〜74歳で、そのあとに65〜69歳、16〜19歳が続きます。
この“ミッドライフ・クライシス”に対する注目度は高いようで、多くのユーザーがコメントしています。
「41歳だけど、何を希望にすればいいのか」
「38歳にとってもこの結果は憂鬱」
「この記事に反対。53歳だけど、これ以上にないってくらい幸せだよ。自分の今の肌が心地いいし。キャリアもこれ以上出世などは求めないし、他人が自分についてどう考えているかなんて気にしなくなったよ」
「57歳はけっこう辛いってこと、認めるよ」
「本当に当たってる!」
「ワオー。この記事は合ってるよ。54歳だけど、朝、疲れて憂鬱な気分で起きたよ」
「あと5歳でハッピーになれるわ!」
「今年で50歳になるんだけど、哀れな人生に突入か。でもね、私はけっこうハッピーだよ。親も年老いてきたり、健康のことで悩んだりするんだけどね。子供を持たなかったことは後悔するけど、もし子供がいたら心配することもでてくるんだろうな」
「52歳だけど、1番ハッピーだよ! お給料が高くなくても、休日に旅行にでかけなくても。20歳が1番哀れだったよ」