ロシアは隠れ「親日」国家。モスクワ在住26年の邦人が語る驚きの事実

 

私が「自虐史観」から脱却した理由

私は1990年、モスクワ国際関係大学に留学しました。それで、一番驚いたのは、「ロシア人が親日だったこと」です。ロシアは、当時「共産ソ連」だった。だから、日本を「日帝」などとよび、嫌っているのかと思っていた。

しかし、全然違っていました。ロシア人だけでなく、世界中から来ている留学生たちも、みんな日本が好きでした。その後、いろいろ旅行しましたが、どこにいっても「日本人というだけで歓迎されました

私は、「日本は悪い国。日本人は悪い民族。全世界が日本を嫌っている」という「自虐史観」は、間違いであることに気がついた。それで、メルマガや本で、「自虐史観は捨てましょう」と書いています。

なぜロシアは親日なのか?

その後私は、「なぜロシア人は親日なのだろう?」と思い、注意して話を聞くようになりました。理由は、いろいろあります。

1.日本高品質製品のパワー

私が来た1990年代初め、ロシア人は、「日本の家電で家を埋め尽くす」ことを夢見ていました。当時、日本の家電を自由に買うことはできなかった。しかし、その品質の高さは、「伝説」になっていたのです。「日本車は?」と思いますね。日本車については当時、あまりにも遠すぎて、「夢にも思えない状態」だったのです。

その後、残念ながら日本の家電業界は、衰えました。しかし、いまだに「日本製品は超高品質」という信用は保たれています。

2.日本は、「理想の国」?

これは、大学の教授などからよくいわれました。ロシアは、当時ソ連だった。そして、共産ソ連が目指したのは、「万民が平等で豊かな国」だった。ところが、事実は「万民が平等で、『貧しい国』」になってしまった。

日本は当時、「90%の人が、自分のことを『中流』と考えている」非常に「豊か」で「平等」な国でした。世界の共産国家の人たちは、「おお!私たちの理想が日本で実現しているぞ!!」と驚嘆していたのです。

3.日本文化への憧れ

「金儲け」を最上の価値におかなかった共産国家ソ連。人々は、きわめて文化的な生活を送っていました。子供の頃からプーシキンの詩を暗記させられる。そして、バレーやクラシック音楽、スポーツなどの分野で、異常な強さを誇っていました。そんな彼らは、日本の「武士道」「」「俳句」などに興味をもち、一種の憧れをもっていました。

最近も、友人の誕生会に行ったら、友達の友達が、「芭蕉の句」をロシア語で披露しました。「北野知ってるか?」と聞かれ、知らなかったので恥ずかしかったです(涙)。他の人が、「歌舞伎の歴史」について話しはじめたので、私は速攻話をそらしました(笑)。

思いつくまま挙げましたが、ロシア国民が親日なのは当時も今も変わりません

image by: President of Russia

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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