今日も牛丼のあなたへ。「ED」は他人事なのでしょうか?

2016.04.21
by Mocosuku
pixta_11899342_L-800x450.jpg
 

ED(Erectile Dysfunction)とは、性交時に男性器に十分な硬さの勃起力が出ない、または勃起力が持続できない状態をいいます。10年以上前には「インポテンツ」と呼ばれていました。

「何気ない生活習慣がEDへの道だった」などということがないように、女性として、パートナーとの日常生活にも注意してみましょう。

EDは生活習慣病が原因!?

現実に、性生活上の支障が生じていても、「疲れているからだ」「ストレスが溜まっていからだ」と、自分勝手に理由をつけてしまい、EDになっていることに気がつかないでいる人が多いようです。

EDの原因の大半は血管の老化によるもので、高血圧や脂質異常症などによる動脈硬化や、糖尿病といった生活習慣病と合併していることが多いのです。

糖尿病とED

糖尿病は病気としての症状が出ないことが多い疾患ですが、EDと関連ある病気の1つとしてあげられます。糖尿病になった人と同世代の健常者とを比較すると、EDの発症は2~3倍高くなっています。また、糖尿病患者の年齢別でみると、40代以降で半数、60歳を過ぎると6~7割がEDになっていると言われています。それでも、実際に治療を行っている人は1%程度です。

糖尿病性EDの原因

糖尿病は血糖コントロールができない病気なのですが、それが続いた結果、神経障害や血管障害が生じます。勃起が可能になるのは、脳や神経、海綿体、血流などがきちんと機能している場合です。勃起のためには、陰茎に血液を一杯満たす必要があり、そのためには、自律神経が正常に働いて血管が拡張して、陰茎海綿体が持続的に弛緩しなければなりません。しかし、高血糖が持続すると、自律神経に障害が起きて、神経伝達が悪くなり、性的刺激や感度が鈍くなって勃起力に影響を与えてしまうのです。

また、血管が硬くなることで、性的刺激によって起こる血管拡張や陰茎海綿体の弛緩が妨げられ、血液の流入が抑えられて、勃起が起こらなくなるわけです。

糖尿病性EDの治療

糖尿病性EDが疑われる場合は、泌尿器科を受診し、相談しましょう。

基本的には薬物治療が中心で、治療薬がありますので、糖尿病の服用薬を医師に伝えたうえで、処方してもらいましょう。心臓病や疾患の薬などとの飲み合わせでは、ショック症状を起こす危険性がありますので、ネットで販売されている治療薬の購入などは、自己判断でしないようにしましょう。

糖尿病性ED以外にも、EDはどのくらいの人が罹患しているのか現状がつかみにくいのですが、平均40歳の人のうち、軽度な場合を含めて50%がEDと診断されたという報告があります。

男性には、「それほど重症ではない」「病気ではない」「医師に相談するほどではない」「相談するのは恥ずかしい」などという思いがあるため、治療に踏み切る人は少ないようです。

日常生活、特に食生活は生活習慣病と密に結びついています。牛丼をかきこむような生活をしていると、知らず知らずのうちにEDになってしまいます。

「EDは全身の血管の健康状態を示すバロメーターだ」という見方が広まっていますので、心当たりのある方は、まず、泌尿器科や内科を受診して、血液検査を受けましょう。

執筆:南部洋子(看護師)
監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)

 

【関連記事】

print
いま読まれてます

記事提供:Mocosuku(もこすく)

  • 今日も牛丼のあなたへ。「ED」は他人事なのでしょうか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け