透明で見た目も美しい日本酒は、海外でも愛好家を増やしているのだとか。
一方で、「日本酒を飲むと二日酔いがひどい」「頭が痛くなる」という人もいますよね。
確かにたくさん飲めば、当然二日酔いにはなりますが、量以外に理由はあるのでしょうか?
二日酔いに影響を与える「コンジナー」
お酒の醸造過程で生じる「コンジナー」と呼ばれる不純物は、二日酔いの原因のひとつ。
お酒の分解は肝臓で行われ、アルコールをアセトアルデヒドに分解する行程と、このアセトアルデヒドをさらに酢酸に分解する行程とがあります。
お酒にコンジナーが含まれていると、その分解にも肝臓が使われることになり、その分、アルコール、アセトアルデヒドの分解が滞って二日酔いになりやすくなると考えられます。
アセトアルデヒドは毒性の強い、頭痛、吐気、動悸などの原因物質です。
例えば、アルコールの分解が得意で、アセトアルデヒドの分解が苦手という人。
このタイプは酔いにくくお酒に強いものの、頭が痛くなったり、二日酔いになったりします。
反対にアルコールの分解が苦手で、アセトアルデヒドの分解が得意という人。
このタイプはすぐに酔ってしまいますが、頭が痛くなったりしないので長くお酒を楽しむことができます。
「安い酒」は酔いやすい?
お酒には、日本酒、ワイン、ビールのように、酵母の発酵で作られる「醸造酒」と、ウイスキー、ウォッカ、焼酎のように醸造酒を蒸留してアルコールの純度を高めた「蒸留酒」があります。
コンジナーは醸造酒に多く含まれています。
度数が同じなら、醸造酒の方が酔いやすいといえます。
「安いお酒の方が酔いやすい」というのにも理由があります。
一般的に、高級なお酒ほど不純物を取り除く行程が丁寧だからなんです。
アルコールパッチテストで体質を確認
アルコールパッチテストで、お酒に酔いやすいかどうかを確認できます。
消毒液に使うエタノールを絆創膏に2~3滴たらし、腕の内側に貼り付けます。その後、7分後、10分後に皮膚の状態を見て判定します。
・7分後に赤くなる人
全く飲めない体質といえます。少量の飲酒でも危険です。
・10分後に赤くなる人
かなり弱い体質です。無理して飲むと肝臓を壊すリスクがあります。
該当する人は二日酔いだけでなく、急性アルコール中毒のリスクも高いので十分に注意してください。
もともとお酒の分解能力が高くない人が、苦手なコンジナーを含むお酒を飲んだときに、二日酔いになりやすいといえます。
「日本酒で二日酔いになりやすい」という人も一定数いらっしゃることでしょう。
ただ、日本酒はダメだけどワインならOKなど、得意・不得意は人それぞれ。
まずは自分自身のお酒の分解能力を把握し、苦手なお酒の種類を見つけておけば、二日酔いを上手に避けることができますね。
執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士)
image by: Shutterstock
【関連リンク】
- 膵臓がんの症状とは?(膵臓がん症状)
- アルコール依存症の症状とは?(アルコール依存症症状)
- 妊婦の飲酒が原因で起こる「 胎児性アルコール症候群 」とは
- アルコールの注意点 !! 大量に多くのお酒を一気に飲んだときのリスクとは
- 酔う と記憶がない! でも家に帰れるのはなぜ?
記事提供:Mocosuku