それでもトヨタは、日本をどん底に叩き落とした「張本人」だ

 

トヨタは日本最大のリーディング企業

次に読者の方からのもう一つの反論「一民間企業であるトヨタに、日本経済の責任を押し付けるのは酷」について、私の意見を述べますね。確かに、一民間企業に日本経済の全責任を押し付けるのは、酷のようにも見えます。が、現実問題から見たときに、トヨタの責任はかなり大きいものがあるのは、間違いない事です。

しかし、ご存知のように、トヨタは日本最大の企業であり、日本最大のリーディング企業です。トヨタのやっていることは、日本中の企業が真似をすることになります。特に賃金に対するトヨタの影響力は非常に大きいものがあります。

トヨタの労使交渉は、労働界全体に大きな影響を与えることは、否めない事実です。そのトヨタが、「好景気のときにも賃金を下げ続けた」ということは、日本の賃金政策に大きな影響を与えたことは間違いないはずです。2000年代の好景気時期に、日本の賃金が下がり続けた大きな要因の一つに、トヨタは間違いなくあるはずでしょう。

しかも、トヨタは、自民党などに多額の政治献金を続けています。自民党にとって、最大のスポンサーはトヨタだといえます。トヨタが優遇された税制になっているのも、この政治献金と無関係ではないはずです。つまり、トヨタは政治をも動かしているのです。一民間企業といえども、自民党のスポンサーになっているのだから、日本の経済政策について、大きな責任があるはずです。トヨタが、低賃金政策をやめ、従業員や関連会社、下請け会社に、まっとうに収益を還元するようになれば、日本経済は大きな好影響を受けるはずです。それはトヨタ自身も潤すはずです。

日本国内での自動車販売は、1990年代からずっと下がり続けています。最盛期、トヨタは日本国内だけで216万台も自動車を販売していました。それが現在は135万台前後にまで落ち込んでいます。これは、結局、自動車を買う余裕がなくなったということでしょう。

最近の若者は「自動車離れ」ということが言われます。しかし、これは若者が自動車に興味がないというわけではないと筆者は思うのです。今の若者の経済力では、都心で自動車を持つことなどは不可能です。自動車の購入費、駐車場代などの維持費は到底、賄えません。つまり、今の都会の若者には、自動車を持つという選択肢が最初からないのです。選択肢がないから、必然的に興味を失ってしまったということだと思われるのです。

それもこれも、煎じ詰めれば、若者に希望を失わせたトヨタの賃金政策に要因の一つがあると筆者は考えるのです。

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image by: GongTo / Shutterstock.com

 

なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?

 

『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋

著者/大村大次郎
元国税調査官で著書60冊以上の大村大次郎が、ギリギリまで節税する方法を伝授する有料メルマガ。自営業、経営者にオススメ。
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