【書評】万年赤字のローカル線「いすみ鉄道」を復活させた驚きの手法

 

出典は、最近読んだこの本です。千葉県の人気ローカル線・いすみ鉄道の鳥塚社長の著作。地方や中小の会社が生き残るためのヒントが満載です。

ローカル線で地域を元気にする方法』(鳥塚亮 著/晶文社)

「全員に分かってほしい!」「誰もが対象、みーんながターゲット」というようなビジネスは、もうほとんど成り立ちません。テレビでさえも視聴率が急降下して「みんなが見るメディア」ではなくなってきて、ネットではアンチの発言も大きいので、どんなものも必ず賛否両論になります。大手の資本をもってしても難しいのに、中小企業などの場合は当然、そんな方向に行ったら失敗してしまいます。

どれだけお金を投じてキリがないし、わかってもらえない人の意見や反論を受けて、いちいちモチベーションを落としてしまいます。「本当に必要でなければ、買わなくてもいい」「本当に面白いと思わなければ、来なくてもいい」という意識を最初から持っていればいいのです。

無理な宣伝や売り込みをしたところで、本当に必要ではないところに売れてしまった、本当に面白いと思ってもない人を集めてしまった、となった時には、信用を落とすばかりか、自分たちも何がお客様にとって必要なのかを勉強する余裕がなくなってしまいます。

「別に買わなくていいですよ」「無理に来なくていいですよ」という意識のもとに、その魅力を発信したところ、本当に食いついてくれるお客様が、本当の意味でのお客様です。

そういう意識でビジネスをすべきかどうか、それを英断するのが、これからの経営者の仕事です。

  • 【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
    「こういう人には買ってもらわなくていい」「こういう人には来てもらわなくていい」というような、求めていない客層はどのような層か。自分の考えをノートにまとめる。

 

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