子どもの失敗に、ついカッとなって怒鳴ってしまった後の対処法

 

家庭教育アドバイス……「叱るときのポイント」

1.事実を伝える
2.子どもの言動によって引き起こされた状況を伝える
3.注意を促す

この順番通りに諭すことが、冷静な叱り方です。けれども、実際の場面ではこんなに立派に叱ることは難しいです。そこで、その後のフォローが大切になってきます。

「だから言ったでしょ!もう」と声を荒げ怒鳴ってしまったら、その場で「あー、怒ってる怒ってる怒ってる、イライラするー」と、子どもの前で自分の感情を口にすることです。

本当は、「火傷しないようにあれだけ注意したのに」と言う気持ちがありますが、そんなことを言っても、子どもは「注意していたのにこぼしてしまった」のですから、済んでしまったことを言うのではなく、自分のイライラしているという感情を吐き出すのです。

こうすると、少し冷静になれるものです。

そして、なぜイライラしたのか言い訳するのではなく、「イライラしてごめん」と、自分がイライラして怒鳴って悪かったと認めることです。

また、反射的に手が出てひっぱたいてしまったら、「ものすごく痛かった、あまりの痛さに思わずひっぱたいたけど、ママがひっぱたいたことは悪いことだった、ごめんなさい」と、素直に謝りましょう。

子どもを感情的に怒ってしまうことは日常茶飯事です。でも、「叱る」ことと「怒る」ことの違いをわきまえていれば、感情的に怒ってもフォローできますから、問題ありません。

理想は、怒りを乗せず冷静に、子どもに納得のいくように諭すことです。私も子ども達が幼い頃は極力諭そうと努力してきましたが、常にそうできるわけではありません。

「何で怒るの?」と聞かれて、「ママは今、ご機嫌悪いから!」と何度答えたことでしょう。子どもにとっては理不尽なことですよね。でもよく周囲を見て下さい。世の中、理不尽なことはあるのです。

子ども達が、何に対しても納得してから行動するのは素晴らしいことですが、もしも理不尽な目に会った時、納得できずに耐えられないでいると、どうなると思いますか?

子ども自身が傷つき、自分の殻に閉じこもってしまう危険があります。

理不尽なことはあるのです。そういうことも教えていかなければいけません。だからと言って、「怒る」ことを推奨するのではありません。冷静に叱るのが理想ですが、怒ってしまってもきちんとフォローすれば構わないですよ、ということです。育児書通りの子育てなどできません、気張らず、肩の荷を下ろして素直に子どもと向き合いましょう。

image by:Shutterstock

 

『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』
家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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