なぜ「win-win」と言いながら近づく人間にロクな奴がいないのか

 

大事なのはその先の第三者です。

提案された方には、従業員がいたり、取引先がいたり、ブランドイメージがあったりと、いろいろと関係性のあるものが多くあります。「私」と「相手」がプラスになっても、その周囲の関係者たちがマイナスになるようなら結局は信頼を失うことになるから、「相手」には全くプラスではないわけです。

先ほどの脳みそがいかれた情報商材のコミッション提案の例で言えば、「私もあなたも」という部分ばかり強調して、その先の読者とか内容のクオリティとか、そういうものを全く意識していません。そういう頭の悪い情報商材の話を載せると、どれだけ読者が首を傾げてしまうかとか、いつもの内容と変わってしまうかといった、そういうことが全く考えられていないわけです。

私は「win-winの関係」などと言われても、そのwin-winの先のものを提案できていないものは絶対に受け入れることはしません。つまり「win-winの関係」というのは、ただ双方がwin-winだったら意味がないのです。関連する誰にも迷惑はかけていないとか、他の人もハッピーになれるとか、その先が考えられていない限り双方だけのwin-winは全くプラスになりません。win-winという言葉を使いたがる人はそこの意識を欠落しがちです。「双方がwin」ではなくて「他の人もwin」「みんながwin」という発想がないのです。

提案営業が上手な人、プレゼンテーションが得意な人というのは、大抵この意識がきちんと備わっています。提案営業がうまくいかない人プレゼンテーションが苦手な人というのは、大抵この意識が欠乏しています。

自社にとって「win-win」とはどういうことか。よく使う言葉なので、自社なりの定義を考えておくといいでしょう。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

  • 自社にとって「win-win」とはどういうことを指すか。自分なりの定義をノートに書く。
  • 社内でもみんなで考えて発表してみる。

image by: Shutterstock

 

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【著者】 弘中勝 【発行周期】 日刊

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