マツモトキヨシ、22年ぶりの首位陥落どころか業界3位への転落危機

 

マツモトキヨシが首位を奪還するためにはどのような戦略が必要か?

それでは、マツモトキヨシが再び首位を奪還するためにどのような戦略を取るべきでしょうか?

現状マツモトキヨシは、次の5つを重点戦略に掲げ、成長を指向しています。

  1. 新たなビジネスモデルの構築
  2. 調剤事業の強化・拡大
  3. オムニチャネル化の推進
  4. 垂直連携体制の構築
  5. 7つのエリアにおける収益性の向上

確かにこの重点戦略が功を奏し、2017年3月期は営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益すべてが過去最高を記録しました。

一方、売り上げに関していえば、ウエルシア、ツルハにそれぞれ1000億円500億円近く引き離されている現状を踏まえれば、自社単独で未開拓の商圏に新規出店を図ったり、延べ4800万人を超えるグループ会員に対して徹底的なマーケティングを実施したりするだけでは、首位を奪還することは難しいといえるでしょう。もちろん、そのような地道な努力も必要不可欠ですが、やはり競合企業同様、M&Aによる規模の拡大を目指す戦略は避けて通ることはできないといえるでしょう。

このM&Aを推進するうえで、マツモトキヨシには「ブランド」という他社が真似できない「コア・コンピタンス」があります。

これまで22年間ドラッグストア業界で首位に君臨し、積み重ねてきたブランドはウエルシアやツルハを凌駕します。この「マツモトキヨシ」というブランドを軸に他の数千億円規模の売り上げを誇る同業者と業界再編を仕掛けることもできるでしょうし、業界再編に乗り遅れて将来に不安を感じる地方のドラッグストアチェーンを買収することもできるはずです。

このようにM&Aを駆使して事業拡大を図る戦略が、マツモトキヨシが再び首位を奪還する鍵を握ることは間違いないといっても過言ではないでしょう。

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