「帰らない」中国人旅行者が急増。沖縄の現状は日本の未来か?

 

いまから二年ほど前のこのコーナーでも、那覇のクルーズ船着港が手一杯になって問題が起きることについてお話ししましたが、地元観光業に従事する人たちからは、那覇港に第2クルーズバースの早期整備を求める意見が多く上がっています。現在は、貨物専用バースでの受け入れをテンポラリーに行ってますが、大型船が着港できないことや、既に運用サービス等の問題が多く噴出しています。

このあたりは、エアアジアがはじめて那覇線を飛ばした際、まだLCCへの対応ができずに、貨物ポートをそのまま活用し、大問題になったのと似ています。サービス面では、悪い意味での「沖縄らしさ」が、いつまでも拭えません。今後は、軍港を解放するなど、大きな整備に迫られることになると思われますが、どちらにしろ海外からの観光客はさらに増加すると考えられます。

また、中国の免許証で日本国内を運転することはできない法制度になっているにも関わらず(ジュネーブ条約違反)、実は中国人観光客の20%近くが沖縄本島でレンタカーを運転しており、事実上、無法状態が続いています。このあたりにも、「スロー」な「沖縄らしさ」が見え隠れしていますし、厳しい中国本土から来る人たちにとっては、これほど「ユルい」沖縄は天国に見えるようです。

中国人にとって沖縄観光の魅力は、気候や美しい海、そして買い物や食事より、どうやらこの「ユルい」点にあるようです。安価に訪れることができて、無免許で運転し、戻らなければならない船に乗らなくても「なんくるないさー」と言えば、滞在できる素晴らしい場所。

そんな街は、世界で唯一那覇だけのように思う今週です。

image by: shutterstock

高城剛この著者の記事一覧

高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けするメルマガ「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 高城未来研究所「Future Report」 』

【著者】 高城剛 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 金曜日(年末年始を除く)予定

print
いま読まれてます

  • 「帰らない」中国人旅行者が急増。沖縄の現状は日本の未来か?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け